萬斎さん観賞と日本画修得の日々

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「国立能楽堂二月定例公演(2/29)」を観る

2月29日、国立能楽堂へ、「二月定例公演」を観に行ってきました。
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「内沙汰」
右近が石田さん、
妻が萬斎さん、
後見が月崎さん。
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萬斎さんの縫箔は、紗綾形地紋の白練色地で、様々な花が刺繍された雪輪文が配されています。
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萬斎さんがなさったのは、男装して裁判官を演じる、という、まるでベニスの商人のポーシャのような女性役。
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でも、ポーシャよりも複雑な心情を内包しているような気がします。
魔性の女性かと思えば、繊細な一面もあり、その複雑さが魅力的で。
観終わったあとに、余韻が残る短編映画のような味わいでした。
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「小督」
源仲国(シテ)が廣田幸稔さん、
小督(ツレ)が廣田泰能さん、
侍女(ツレ)が宇髙徳成さん、
臣下(ワキ)が髙井松男さん、

小督に宿を貸している女が深田博治さん。
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小督は高倉院の側室だったんだけど宮中から身を隠してしまったので、源仲国が高倉院の命を受けて探しに行くお話。
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仲国は、名月の夜ならば小督が琴を弾くはず、という発想するような人だからこそ、人選されたのでしょうね。
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小督がタイトルになってるけど、小督はツレというのが意外でした。
でも面は、シテの風格漂う美しい横顔でした。
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写真は、国立能楽堂の中庭です。
これまでに何度も訪れてきた中庭ですが、今回の景観は、めちゃくちゃスタイリッシュ。
ススキの群生は、右側だけ穂を残し、左側は根元近くでスッパリ切断。
灯に照らされた木々の影で、緑の濃淡を演出する造形に感嘆しました。
ライトアップじゃなくて、影で魅せるのかぁ、と。
花の少ない季節を逆手にとった、今ならではの演出ですね。
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