萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「喜多流自主公演 令和四年一月」を観る

1月9日、喜多能楽堂へ。
目黒駅から能楽堂へ向かう道の前方に、中村くんのお姿。
お連れは、シルエットから察するに、岡さんか、もしくは内藤くん。

お連れは、能面ケースと思しきボックスを携帯。
今回、面が必要なのは、アイの裕基くんオンリーのはずなのに、けっこう大きなケースです。
おふたりとも電車をご利用されたってことでしょうかねー

さて、こちらの公演は、開演前に解説があるのですが、今回の解説ご担当は、大島輝久さん。

輝久さんは、時おり腕時計を確認されていましたが、袴の下の角帯挟んでおくスタイルでした。
解説は、がっつり30分。
面白かった!

特に印象に残ったのが、賀茂の謡の話題。
川の流れになぞらえて、人間の人生を謡う、という非常に深い内容になっています、と。

ふむふむ、そこが輝久さんにとっての萌えポイントなのね。
輝久さんが推すのならば、私もそこを意識して観てみよう、という気持ちに。

解説って、単なるあらすじ説明に留まらず、解説者の思いや人となりが垣間見えるのですねー

能「賀茂」
シテ(里女&別雷神)が佐々木多門さん、
ツレの里女が狩野祐一さん、
ツレ(天女)が友枝雄太郎さん。

ワキ(神職)が舘田善博さん、
ワキツレ(従者)が則久英志さん&御厨誠吾さん、
アイ(賀茂明神の末社)が裕基くん。

笛が小野寺竜一さん、
小鼓が観世新九郎さん、
大鼓が大倉慶乃助さん、
太鼓が桜井均さん。

前シテの摺箔は、ちょっと歪んだ七宝繋ぎ風の模様。柄のラインが細く、繊細でキレイ。

そして、輝久さんお勧めの川の流れの謡が、とても美しかった!
まさに、川の水面が揺らめきながら、流れていくようなリズム。

裕基くんのアイは、「穂先が、ニッコニコとした」なーんて言ったりする。
植物を擬人化したのかもしれないけど、もしくはほんとうに、ニッコニコしたって可能性もあるかな。

何しろ、無機物のはずの
矢が父親になっちゃう世界なんだから、有機物の穂先が笑うくらい、あっても不思議は無い。

そして、裕基くんは語りの後に舞を舞ったのですが、舞い終わった時、空気がキラッとしました。
この感じって、お能のラストでシテ方が舞ってピタッと終わる、あの感じ。
かーっこいーっ


狂言「筑紫奥」
丹波の百姓が萬斎さん、
筑紫奥の百姓が太一郎くん、
奏者が石田さん、
後見が月崎さん。

萬斎さんは、侍烏帽子、松皮菱切替えの紺&納戸色の地に、松竹梅&鶴亀の掛け素襖、梅文の腰帯、象牙色地に濃紺の格子の縞熨斗目。裾の方はハシバミ色のグラデーション。
洗朱色の袴。

萬斎さん百姓は、笑え、との命令に対し、
本当に可笑しくなきゃ笑えないんです、と言いつつ、可笑しい事を懸命に考える。
考えてる内容と、眉を寄せて苦悶する姿とのギャップがかわいい。

仕舞「東北」香川靖嗣さん

能「忠度」
シテ(樵翁&忠度)が大村定さん、
ワキ(旅僧)が森常好さん、
ワキツレ(従僧)が梅村昌功さん&野口能弘さん、
アイ(須磨の浦人)が中村くん。

笛が成田寛人さん、
小鼓が幸信吾さん、
大鼓が柿原光博さん。

そして、ふと気付けば、このお正月は、翁を観る予定が無い!
翁を観ないと、年が明けた気がしません。
そもそも今年のお正月は、萬斎さんが三番叟を踏まれなかったのですよねー

遠地であろうと、お正月に萬斎さんの三番叟とあらば、万難を排して駆けつけるところですが。

そう考えると、萬斎さんの三番叟っていうのは、恐るべき原動力になるのだなー、と感嘆の思いを新たにしました。

そんなこんなで三番叟への飢餓感に喘ぐなか、萬斎さんの侍烏帽子のお姿を拝見できたのは、ラッキーでした。

1月9日、喜多能楽堂へ。
目黒駅から能楽堂へ向かう道の前方に、中村くんのお姿。
お連れは、シルエットから察するに、岡さんか、もしくは内藤くん。

お連れは、能面ケースと思しきボックスを携帯。

今回、面が必要なのは、アイの裕基くんオンリーのはずなのに、けっこう大きなケースです。
おふたりとも電車をご利用されたってことでしょうかねー

さて、こちらの公演は、開演前に解説があるのですが、今回の解説ご担当は、大島輝久さん。

輝久さんは、時おり腕時計を確認されていましたが、袴の下の角帯挟んでおくスタイルでした。
解説は、がっつり30分。
面白かったです。

特に印象に残ったのが、賀茂の謡の話題。

川の流れになぞらえて、人間の人生を謡う、という非常に深い内容になっています、と。

ふむふむ、そこが輝久さんにとっての萌えポイントなのね。
輝久さんが推すのならば、私もそこを意識して観てみよう、という気持ちに。

解説って、単なるあらすじ説明に留まらず、解説者の思いや人となりが垣間見えるのですねー


能「賀茂」
シテ(里女&別雷神)が佐々木多門さん、
ツレの里女が狩野祐一さん、
ツレ(天女)が友枝雄太郎さん。

ワキ(神職)が舘田善博さん、
ワキツレ(従者)が則久英志さん&御厨誠吾さん、
アイ(賀茂明神の末社)が裕基くん。

笛が小野寺竜一さん、
小鼓が観世新九郎さん、
大鼓が大倉慶乃助さん、
太鼓が桜井均さん。

前シテの摺箔は、ちょっと歪んだ七宝繋ぎ風の模様。柄のラインが細く、繊細でキレイ。

そして、輝久さんお勧めの川の流れの謡が、とても美しかった!
まさに、川の水面が揺らめきながら、流れていくようなリズム。

裕基くんのアイは、「穂先が、ニッコニコとした」なーんて言ったりする。
植物を擬人化したのかもしれなきけど、もしくは、ほんとうに、ニッコニコしたって可能性もあるかな。

何しろ、無機物のはずの
矢が父親になっちゃう世界なんだから、有機物の穂先が笑うくらい、あっても不思議は無い。

そして、裕基くんは語りの後に舞を舞ったのですが、舞い終わった時、空気がキラッとしました。
この感じって、お能のラストでシテ方が舞ってピタッと終わる、あの感じ。
かーっこいーっ


狂言「筑紫奥」
丹波の百姓が萬斎さん、
筑紫奥の百姓が太一郎くん、
奏者が石田さん、
後見が月崎さん。

萬斎さんは、侍烏帽子、松皮菱切替えの紺&納戸色の地に、松竹梅&鶴亀の掛け素襖、梅文の腰帯、象牙色地に
濃紺の格子の縞熨斗目。裾の方はハシバミ色のグラデーション。
洗朱色の袴。

萬斎さん百姓は、笑え、との命令に対し、
本当に可笑しくなきゃ笑えないんです、と言いつつ、可笑しい事を懸命に考える。
考えてる内容と、眉を寄せて苦悶する姿とのギャップがかわいい。

仕舞「東北」香川靖嗣さん

能「忠度」
シテ(樵翁&忠度)が大村定さん、
ワキ(旅僧)が森常好さん、
ワキツレ(従僧)が梅村昌功さん&野口能弘さん、
アイ(須磨の浦人)が中村くん。

笛が成田寛人さん、
小鼓が幸信吾さん、
大鼓が柿原光博さん。

短冊が本当に登場するのですが、けっこう大きい!
能楽の小道具って、びっくりするくらい小さい場合もあるけど、逆パターンもあるのですね。
後見の友枝昭世さんのお仕事ぶりが端正で見とれました。

そして、ふと気付けば、このお正月は、翁を観る予定が無い!
翁を観ないと、年が明けた気がしません。
そもそも今年のお正月は、萬斎さんが三番叟を踏まれなかったのですよねー

遠地であろうと、お正月に萬斎さんの三番叟とあらば、万難を排して駆けつけるところですが。

そう考えると、萬斎さんの三番叟っていうのは、恐るべき原動力になるのだなー、と感嘆の思いを新たにしました。

そんなこんなで三番叟への飢餓感に喘ぐなか、萬斎さんの侍烏帽子のお姿を拝見できたのは、ラッキーでした。