萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第106回 野村狂言座」を観る

4月18日、観世能楽堂へ、「第106回 野村狂言座」を観に行ってきました。
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最初に、萬斎さんによる解説。
朝比奈の解説では、
「ウチの親父が、まさか朝比奈をやりたい、と言うとは思いませんでした。
裕基とやりたい、と言うので配役をさせていただきました。」
と。
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なんて嬉しい情報なんでしょー
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裕基くんが初めて「朝比奈」のアド(閻魔)をなさった時、萬斎さんが、〇〇(何か重い演目←節分だったか、釣狐だったか、失念しました)の前に、こなすべき役、とご説明された記憶があり。
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当時の萬斎さんとしては、師匠の立場として、朝比奈のアドを裕基くんのカリキュラムを組み込まれ、
裕基くんの修行に付き合う、という意識でご自身が朝比奈のシテを務められた事もあったかもしれません。
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そんな時、実は万作さんは、朝比奈のシテいいなー、自分も裕基とやりたいなぁ、なーんて思ってらしたのかしら?
・・・と、妄想したら、幸せ過ぎてジタバタしてしまう。
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裕基くんがなさる朝比奈のアドを万作さんが気に入っておられて、
子供が純粋に何かを欲するようにリクエストされた、といいう風に感じられ、
とても清らかな思いに触れたかのような気持ちになりました。
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小舞「鮒」萬斎さん
地謡は、裕基くん&内藤くん&月崎さん&岡さん。
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かっこいい巨大フナ様!
フナ様が跳ねると、湖面が大きく波打って、風や嵐まで巻き起こせそう。
強靭な美を感じました。
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番組表によると、能「白鬚」の替間のキリを小舞にしたもの、との事。
この替間つきのお能も、いつか観てみたいです。
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長光
すっぱが飯田くん、
坂東方の者が中村くん、
目代が石田さん、
後見が福田成生さん。
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「茶壺」と似てて、相手が携帯してる物の紐を、すっぱが自分の身体に掛けるなり、結ぶなりして、自分が所有者だ、と主張する、という展開。
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茶壺の目代も、長光の目方も、のほほんとしています。
法を司る人というより、小さい交番のお巡りさんという感じだったのでしょうか。
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「鮒」に続いて上演された為か、「鮒」と「長光」でワンセットかのよう。
巨大フナ様がピチピチ飛び跳ねる湖に近いショッピングモール、さぞ人気スポットだったことでしょう。
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中村くんがお店を見て回ってる場面は、賑やかで浮き立つような雰囲氣が楽しそうでした。
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素囃子「早笛舞働」
大倉慶乃助さん&森澤勇司さん&大川典良さん&槻宅聡さん。
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「朝比奈」
朝比奈が万作さん、
閻魔が裕基くん、
地謡が、萬斎さんを地頭に、
高野さん&中村くん&飯田くん&福田さん。
囃子科方は、先程の素囃子メンバ。
後見が深田さん&月崎さん。
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端正な威厳のある朝比奈でした。
そして、裕基くん閻魔は、スタイリッシュ。
閻魔は敏捷で、ちゃんと強そうに見えるんだけど、それを軽々とあしらっちゃう朝比奈にはスーパースターのオーラが。
このコンビのこの演目、とても気に入りました。
万作さん、ご発案ありがとうございました!
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「花折」
新発意が太一郎くん、
住持が萬斎さん、
立衆が、岡さん&内藤&深田さん&竹山さん&高野さん、
後見は中村くん。
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立衆は、無理やり境内に侵入する作戦を敢行したりして、たくましい。
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新発意は、誘惑に弱くて調子に乗りやすいんだけど、周りを明るくキャラで憎めません。
住持はいつも手を焼いてるんだろうなぁ、というのが垣間見えて、ほのぼのしました。
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