萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第96回 野村狂言座」を観る

12月3日、宝生能楽堂へ。
最初に石田幸雄さんによる解説

小舞「海老救川」太一郎くん
地謡が中村くん&岡さん&飯田くん&淡朗くん。

狂言「柑子俵」
柑子買が萬斎さん、
山家の者が万作さん、
山家の者の子が三藤なつ葉ちゃん、
後見が淡朗くん。

めちゃくちゃ楽しかった!
あまりに奇想天外な展開で、何度も声をあげて笑っちゃいました。

そして、なつ葉ちゃんが健気で愛らしい。
人を欺すのは悪い事だけど、親の言いつけだから従います、なんぞと言ったり。

夏葉ちゃんが入った俵を、いざ、萬斎さんが背負い、立ちあがろうとなさると、かなり重たいようで、「ふぬっ」と息が漏れてしまう。

その「ふぬっ」が、姪を背負う萬斎さんから漏れたようでもあり、
蜜柑ぎゅうぎゅう入りと信じこんでる柑子買がリアルに漏らしたようでもあり、二重に楽しくなる。

狂言「泣尼」
僧が深田さん、
施主が内藤くん、
尼が月崎さん、
後見が中村くん。

泣きにくい所を、よう泣いた、と、住職が感心する場面に、ププッとしました。
いやいやいやいや、住職さまこそ、褒めにくい所を、よう褒めましたよぉ

素囃子「神舞」
佃良太郎さん&森澤勇司さん&小寺真佐人さん&小野寺竜一さん。

狂言勧進聖」
勧進聖が高野さん、
船頭が石田幸雄さん、
道者が中村くん&飯田くん&石田淡朗くん&岡さん、
鮒か裕基くん。
後見が竹山さん&宇貫貴雄さん。

船(モドキの枠)が、二艘も舞台に。
一方に勧進聖が乗り、
他方には道者&船頭、つまり5人が乗る事に。
そんなに大勢が枠に入り切れる訳ないから、きっと船弁慶のワキツレみたいに、船に乗ってる態で枠の外に控えるんだろな、と思いきや!

5人みんなスッポリ枠の中に収まってしまいました〜
スレンダー揃いの万作家ご一門ならでは。

フィニッシュでは、裕基くんが能舞台の上を完全に支配。
裕基くんがグイと身体を返した時、湖の水面が大きく揺れたのだもの。
揺れが余りに大きくて、湖面(ホントは能舞台)の上の空間までがズズズと波打ったかのようでした。
なんとも潔い終わり方です!!