萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

能楽タイムズ5月号のインタビュー"TBS系金曜ドラマ「俺の家の話」と能への思い"を読む

とても読み応えのある記事でした!

ドラマ後半で「隅田川」がクローズアップされていきますが、「隅田川」の他に何の演目が候補に挙がっていたのか、とか、
なぜ隅田川に絞り込まれたのか、とか。

興味をそそられる話が盛りだくさん。

あと面白かったのが、お能を取り上げられた動機。
お能もプロレスも、ご自分に一番遠いジャンルだそうで、
その遠いもの同士を組み合わせてみよう、と思い付かれたのですって。

なので、ドラマで取り上げるって決まってから、初めてお能をご覧になったそうで。

なんと大胆な。
ご自分の得意なテリトリーで勝負しよう、となりそうなもんなのに。
その真逆?!

いざ観能してみて、拒否反応が起きちゃったらどうなさるおつもりだったのかしらねー

1ページ超の、充実の内容でした。

定期講読もできますが、単月でも、能楽書林ネットショップから購入できます。
バックナンバーも買えます。


なお、「俺の家の話」は、私にとっては、ここ数年で観たドラマのなかでダントツでした。

また、私の周りでも反響が大きかったです。

お能を10回くらい観たことのある知人は、
「行ったことがある能楽堂が出てきたり、観たことのある演目が出てくると、とても嬉しくなる」、と。

更に、今度は「隅田川」が観たくなった、とも。
そういう反応を聞くと、むやみとウキウキしちゃいます!!

「第49回 花影会」を観る

4月18日、観世能楽堂へ。

「翁」
翁が武田宗典さん、
三番叟が萬斎さん、
千歳が武田崇史さん、
面箱裕基くん。

笛が斉藤敦さん、
小鼓頭取が鵜澤洋太郎さん、
脇鼓が田邊恭資さん&飯冨孔明さん、
大鼓が安福光雄さん。

萬斎さんは、鶴亀&松の葉が配されたろくしょう色の直垂。
硬質な煌めきがまばゆくて、
松の葉が、雪の結晶のように見えてきます。

アナ雪のエルサに自己投影なさるお方がお召しになると、クリスタル仕様になっちゃんうですねー

すごい三番叟でした!

今ここにいる時こそが、生きている事そのものだ、と強く思わされました。
ありがたやエルサさま。
ありがたや面替。

1週間前に東大寺ボレロを舞った(踏んだ、と言うべきでしょうか)時に励起され、
そのポテンシャルが持続されたまま三番叟を踏むと、こういうスパークが起こるのでしょうか。

そうだとしたら、ボレロと三番叟を交互に、1週間ターンで踏んでいったら、新エネルギーが作れちゃうかも。

これは是非とも検証していただきたい研究テーマです。
その際には、有観客上演でお願いします!

「翁」が終ると脇鼓は退出され、そのまま
「弓八幡」が始まります。

シテ(老人&高良神)が宗典さん、
ツレ(老人に同行する男)が武田崇史さん。

ワキ&ワキツレ(天皇の臣下)が、
舘田善博さん&梅村昌功さん&野口琢弘さん。
お三方とも大臣烏帽子。

土地の男は、深田博治さん。
侍烏帽子。

地謡は、観世宗家を地頭に、8人編成。こちらも侍烏帽子。

囃子方は、翁の時のメンバ(脇鼓を除く)+太鼓の大川典良さん。
とはいっても、翁の上映中から、太鼓の方も舞台上に出ておられました。
つまり、素襖裃に侍烏帽子の出立
ち。

烏帽子コーデ率、高し!

前シテは、小尉(?)の面の下側から、わずかに顎が見えるんだけど、そのラインがとても綺麗。

中入になると、素襖を肩脱ぎにしていた囃子方は、いったん素襖をちゃんと着ます。
で、後場になるとふたたび肩脱ぎに。

翁の舞台を務められた方々が、そのトランス状態のまま、脇能に雪崩れ込むっていうのが、いいですねー

そう考えると、太鼓が最初から座っているのは、トランスに乗り遅れるからなのかしら。

単に入場を一度に済ませちゃおう、ってことではなく。

飲み会に途中から参加すると、テンションが合わないようなもんでしょうか。


「末広かり」 
主人が万作さん、
都の男が石田さん、
太郎冠者が高野さん、
後見が飯田くん。

おお~ 万作さんは、3/12と同様に向鶴菱の素襖裃。
この素襖裃すきすき大すき。

囃子方は、弓八幡メンバが、そのまま続行出です。

小鼓・大鼓は床几に座ったりするから、オール正座ではないんだけど、
笛と太鼓は、3時間ずーっと正座!

すごい芸能だぁ

今回のように、「翁」、そして脇能、脇狂言を続けて上演する形態を
「翁附」というのですって。

ということで、番組には、
「翁附 弓八幡・末広かり」と記載されていました。

この「翁附 弓八幡・末広かり」に出演された方々の烏帽子コーデ率があまりに多いので、ちょっと集計してみました。

翁・三番叟・千歳・面箱:5烏帽子
(三番叟は途中で烏帽子をチェンジするので2カウント)

弓八幡のワキ&ワキツレ:3烏帽子
アイ:1烏帽子
囃子方:6烏帽子
地謡:8烏帽子
シテ方後見:2烏帽子
三番叟の後見:2烏帽子
末広かりの後見:1烏帽子

以上、なんと、28烏帽子!

なお、烏帽子を付けていないのは、
弓八幡のシテ&ツレと、
末広かりの太郎冠者だけ。

とはいえ、弓八幡のシテ&ツレのお二人は、翁&千歳をなさっているので、そこでは烏帽子を付けておられた、と考えると、
完全な烏帽子レスは、
太郎冠者ただ一人!

"このあたりの者"のアイコンともいうべき太郎冠者が、
「翁附」界隈では、マイノリティになる、というのが面白いです。


二人静」 
シテ(女&静御前の霊の影)が武田文志さん、
ツレ(菜採女)が松木千俊さん、
ワキ(神職)が野口能弘さん、
アイが太一郎くん。
       
笛が栗林祐輔さん、
小鼓が鳥山直也さん、
大鼓が國川純さん。


後シテの面は、高岡早紀さんのような魔性系の美貌。

シテとツレの後場の長絹は、柄ゆきがオソロで、色は全く違う、というパターンでした。
ツレは柳色で、シテは古代紫

長絹の下の腰巻に至っては、二人は柄も色も全く違う。

ツレはハッキリしたオレンジ系の縫箔。
一方、シテはピンク色ベース。
印象派風とでもいいましょうか、輪郭がもやもやと霞むような藤の花が一面に。

色調のためか、
ツレは生身の人っぽさが際立って、そのぶんシテは、いかにも実態のない霊のよう。

この藤の装束がめちゃくちゃ素敵で。
以前に虫干の見学に伺った際に、大量のお着物の群の中にこれがあり、染め紬と教わった記憶があります。

その時も、なんて素敵なお着物~と、うっとりでしたが、
こうやって舞台の上で拝見すると、益々もって心ざわつきます!


トータル5時間という中々のボリュームでしたが、あー観たぁーっていう充足感で満たされた公演でした。

「第94回 野村狂言座」を観る

4月16日、宝生能楽堂へ。

最初に高野さんによる解説。

「文相撲」
大名が裕基くん、
太郎冠者が萬斎さん、
坂東方の者が太一郎くん、
後見が淡朗くん。

萬斎さんは、笹の葉&雀が配された淡黄色の肩衣、瓢箪の腰帯、柳色の小格子の縞熨斗目、空色の狂言袴。

大名と太郎冠者が
「えーーーーーいっ」
「ほぉーーーーーーいっ」
と呼応するお声が最高。

なんとよき響きなんでしょー
うつくしい新種のオオカミが、鳴き交わしているかのよう。
ずっと聴いていたくなります。


「茶壺」
すっぱが中村くん、
中国の者が内藤くん、
目代が深田さん、
後見が月崎さん。

連舞のシーンが華やか。
内藤くんは勿論なんだけど、それをマネッコする中村くんも、颯爽としてる。

かといって、マネッコ設定が破綻するかっていうと、そんなことはありませぬ。

すっぱに舞のセンスがあるから、すぐさま習得できちゃうんだね!と思わせてくれる。
アイドルユニットみたいにも見える連舞でした。


「見物左衛門」
見物左衛門が万作さん、
後見が裕基くん。

笠を小脇に抱えてる姿が、かっちり綺麗。
人混みの中でも笠が押し潰されないよう、ガードしてるの。
無造作に脇に挟み込んだりはしないのね。
豪放磊落キャラかと思いきや、持ち物にはこだわりアリ、な お洒落な人なのかも。


「骨皮」
新発意が飯田くん、
住職が石田幸雄さん、
檀家が岡さん&竹山さん&高野さん、
後見が内藤くん。

なかなか際どいオチで、びっくり。
しかし洒落がきいています。
これ、最初に高野さんの解説を聴いていなかったら、洒落が理解できなかった。

際どいんだけど、飯田くんの端正な所作のおかげで、品格が保たれていました。

「国立能楽堂 4月 普及公演」を観る

4月10日、国立能楽堂へ。

最初に、小田幸子さんによる
解説「能楽あんない 闇のうつつ」。

夕顔は、頭中将の元カノです、と解説くださり、おお、そうだった、と私は一気に記憶が甦りました。

私の源氏物語の知識は、高校生の時に読んだ「あさきゆめみし」がベースなので、その漫画に出てきた夕顔のイメージが、まざまざと。

「夕顔」は、金春流では2018年に復曲されたそうですが、そのキッカケは、大河ドラマ真田丸」だったのだとか。

その時、お能の監修(相談役って仰ってたかも)を務めておられたのが、山井綱雄さん。

その関連で、秀吉が「夕顔」を舞った記録があるから、大河のなかでも「夕顔」を舞って欲しい、というリクエストがあったのですって。

その時は、金春では「夕顔」は現行曲ではないから、と、代わりに「源氏供養」を舞ったそうで。

後日、そのことを山井さんが金春
安明さんにお話ししたら、江戸時代の???(聞き取れず)と、型付を出してくださった、と。

それを元にして復曲に至った、とのことでした。
現行曲でなくても、江戸時代の資料がポンと出てくるもの?!

代々のご宗家が、いつか役に立つかもしれないから仕舞っておこう、と、受け継ぎ続けてこられたのでしょうねー

断捨離ルールでは、1年以上手に取っていないものは捨てる、なーんて申しますが、そんなルールでは測れない事もある、とゆーことですね。


「呂蓮」
出家が万作さん、
宿主が石田さん、
その妻が岡さん、
後見は内藤くん。

今回の公演は、"月間特集・日本人と自然)春夏秋冬”なるシリーズの”夏”verに当たるのですが、なぜ
「呂蓮」が選曲されたのか?と不思議でした。

が、出家のセリフの中で、命の儚さを朝顔に例える件があったんですねー

おお~、朝顔だから夏ってことか、と観てる最中に、漸く気付きました。

万作さんは、飄々として、気ままな風情が魅力的。
宿主がつい憧れてしまったのも、頷けます。

妻に気付かれる前に万作さんと共に宿を出奔してしまえば、
宿主の出家は成功したのに。
惜しかったですねー

終演は13:55。
このあと万作さんは三鷹ですが、
出番は2番目のようなので、きっと余裕でしょう。


「夕顔」 
都の女&夕顔の上の霊が本田光洋さん。
旅僧が飯冨雅介さん、
従僧が有松遼一さん&岡充さん。
所の者が萬斎さん。

笛が藤田次郎さん、
小鼓が鳥山直也さん、
大鼓が柿原光博さん。

後見が金春安明さん&本田芳樹さん。

地謡は、舞台に入ってきてから後ろを向いてマスクを着け、クルリと前を向くスタイル。
マスクは暖簾タイプで、顎のチョイ下くらいの長さ。

萬斎さんのアイに聞き惚れました。
沈鬱なんだけど、ウェットになりすぎない、低~い響きのお声。

萬斎さんてば、亡くなっちゃった女性のことを語るアイをなさると、特別に絶品です!!

萬斎さんのアイは、14:58~15:15まで。
橋掛りに戻られて、いったん座られましたが、その後わずか数十秒で切戸口から退出してゆかれました。

この日のラジオのお話から察するに、この後、電車で三鷹駅へ直行されたのですね。

夕顔の上が儚げでたおやか。
ビジュアルは「あさきゆめみし」の夕顔とは全く違うのに、高校生の時に感じた夕顔のイメージと、不思議なくらいピッタリ合っておりました。

「銕仙会 4月定期公演」を観る

4月9日、宝生能楽堂へ。
めちゃくちゃ豪華な、万作家の替間を観ました!

「賀茂 素働 御田」 

シテ(里女&別雷神)が清水寛二さん、
前ツレ(里女)が北浪貴裕さん、
後ツレ(御祖神)が安藤貴康さん。

ワキ(室明神ノ神職)が福王和幸さん、 ワキツレ(従者)が村瀬提さん&慧さん。

オモアイ(神主)が萬斎さん、
立衆(早乙女)が、裕基くん&太一郎くん&中村くん&内藤くん&飯田くん。
狂言方後見が高野さん&深田さん。

笛が杉信太朗さん、
小鼓が鵜澤洋太郎さん、
大鼓が広忠さん、
太鼓が林雄一郎さん。

後見が銕之丞さん&谷本健吾さん。

「御田」は、狂言方の小書。
神主サマと早乙女ちゃん達の、謡の掛け合いが、そりゃもう最高で。

謡がどんどん盛り上がっていくと、神主サマも、どんどんノってくる。
舞もどんどんキレッキレに。

なんて華やかで楽しいんでしょー!
・・・と私も前のめりでしたが、

たぶん早乙女ちゃん達も神主サマも、楽しかったんじゃないでしょうか。

その浮き立った気分が見所にも伝染していったように感じられました。

お能の会の見所って、ときどき狂言に対して反応が冷ややかな会もあるけど、今回は気持ちいいくらいの一体感!

この謡の掛け合いが、とても気に入ってしまったので、帰宅してから手持ちの本を参照してみました。

「能にも演出がある 小書演出・新演出など」(横道萬里雄 著)によると、この掛け合いの歌は「田植歌」というのだそうで、

「平ノリ・ヨワ吟で、所々にツヨ吟をまじえた独特の謡で、他に類例のない形式」なのですって。

他に類例のない、とな?
さぞかしお稽古も大変だったことでしょう。

早乙女ちゃん達は謡もすばらしかったですが、女子力も高い!

早乙女ちゃん達のうち、裕基くんだけはソロパートもあり、最も脚光を浴びるお役でしたが、所作もお声も美しかったです~

事前講座で、早乙女の説明をされた清水寛二さん曰く
「今度(4/9)は、美男子がたくさん出てきます。期待してください。」
と。

ええ、ええ、予想はしておりましたが、清水寛二さんの予告の通りでしたよぉ

実は公演の前週に青山で事前講座があり、それを受講して本公演に臨んだのでした。

それと!
囃子がカッコいい。
初っ端からギュイーン、とギア全開で、それにのって出てきた福王和幸さんもテンション高め。

お?どうした、どうした?
何が始まるのぉ?!
と、最初からガッチリ心を掴まれてしまいました。

事前講座で、清水寛二さんが、中入り前に特殊なハコビがある、と話してくださったおかげで、それもシッカリ見れて嬉しかったです。

後場は、更に囃子が盛上り、地謡も盛上り、ますますヒートアップ。

そして別雷神のコーデが斬新!
イケメンて言葉が生ぬるく思われてしまうくらい、攻めのヴィジュアルでした。

この演目、同じご出演者で、もういっぺん観たいーー


順番が前後しちゃったけど、お能の前には、
狂言「魚説法」がありました。

新発意が万作さん、施主が淡朗くん、後見が月崎さん。

新発意が唱えているのは、お経じゃなくて魚のオンパレードってバレたあとも、
新発意は、魚の名前を入れ込むのを止めないんですね。

ショーとして完成形を施主に披露しよう、という見習いクンなりの心意気でしょうか。
軽やかな万作さんでした。

「狂言ござる乃座 63rd」を観る

4月3日、国立能楽堂へ。

最初に、なんと萬斎さんによる解説が!
常のござるの座は解説は無しなのに、嬉しいサプライズです~

初めて狂言をご覧になる方が多いようだったので、ちょっとご説明した方がよいかとなと思い、出て参りました、と。

続けて、狂言を今日、初めてご覧になる方~?、と見所へ問いかけを。
あらら思いのほか、挙手が少ない。

ご本尊さま~
だからといって、解説は要らないじゃん、てことではありませんよぉ
ご本尊さまの解説は、狂言1番以上に、ありがたいです!!

素囃子「羯鼓
大鼓が柿原孝則さん、小鼓が曽和伊喜夫さん、笛が槻宅聡さん。


「節分」
鬼が裕基くん、女が太一郎くん、
後見が萬斎さん!

太一郎くんがちゃんと綺麗なので、鬼が一目惚れしてまう展開にも、妙な説得力が。

鬼が隠れ簑をつけてたまま、
自己アピールするとこが微笑ましい。
太一郎くんの視界に入らんと、
「こっち見てくれよぉ」といわんばかり。

その一方で、動きはキレキレだし、静止した姿は美しいし、、というギャップが、たまりません。
裕基くんの謡がいっぱい聴けたのも嬉しかった。


「花盗人」
男が萬斎さん、
何某が万作さん、
後見が月崎さん。

萬斎さんの肩衣は、墨色地に、藤(?)の花。

お二人の酒宴の場面に、酔いしれました。
萬斎さんの謡に耳を傾ける何某さんに憑依して、私も気持ちが緩やかにほどけてゆきます。

ときおり、萬斎さんの肩衣が月明かりを受けてユラリと煌めく。

謡が聴こえている時間も最高なら、謡が聴こえてない時間も、これまた最高。
金蘭の交わり、という言葉が胸に浮かびます。

万作さんと萬斎さんが揃うと、何故こうも満ち足りた世界が出現してしまうのでしょうか。
大好きな曲を、大好きな配役で観れた幸せに感謝です。


「金津地蔵」
親が萬斎さん、
その子供が三藤なつ葉ちゃん、
金津の者が高野さん、
立衆が石田幸雄さん&深田さん&内藤くん&中村くん&飯田くん石田淡朗抜くん。
後見は岡さん、
働キ&幕は裕基くん。

「節分」では裕基くんは面を掛けておられたので、
働キで直面を見せてあげよう、という、お父様の御取り計らいでしょうか。

なつ葉ちゃんが!かっわいい!!
そして健気。
自分のことを少しも不幸と思ってないし、あんま心配もしてなさそう。

パパがぜったい迎えに来てくれる、という盲目的な信頼っぷりも愛らしい。

さて、甲斐性なしのパパは、角頭巾の萬斎さん。
似・合・う~

お地蔵ちゃんが喋ろうが、スイーツを所望しようが、
村人たちは、奇特だ~、と有り難がる。

素直に騙されると、お地蔵ちゃんと一緒になって踊れちゃうから、騙されたモン勝ちって気がしてきちゃいますね。

「子午線の祀り」を観る

ついに熱狂の日々が終わってしまいました。

日を重ねるごとに、
萬斎さんはどんどん知盛さまになってくし、
村田さんはどんどん民部になっていくので、
私も子午線ワールドに絡めとられてゆきました。

私は民部の
GoTo宋の国プレゼンが、
何故かとても好きです。

長門の国と九州のあいだをするりと抜けきりますとそこは響灘、続いて広々と玄界灘がひろがっております。」

って、プレゼンが始まると、
毎回ワクワク血が騒ぎ出してしまう。

「今この三月、続く四月の季節の風は、一年のうち最も都合よく彼の国へ船を吹き送ってくれます。」

とかって、もはや駆け落ちの誘いのよう。

この1stプレゼンの翌日に再び、
民部がGoTo宋の国を猛プッシュするシーンでは、
私は完全に民部サイドの気持ち。

「御座船をひしと押し包んで西流に乗ろうとなぜ申されません?」

と民部が迫ると、私も
「なぜ申されません?!!」と心中で叫ぶ。

色んなものから解き放って差し上げたい、と思ってしまう。

民部と知盛さまのベクトルが合わないのが、
もどかしいやら切ないやら。。。

でも、それだからこそ、私は知盛さまに惹かれるのかも。

義経にはビシッとベクトルのあった弁慶が居るのと対象的ですね。

それと!
義経が、
「天と地が覆っても勝つ!」
と言ってるのに対し、
知盛さまは、
「天と地が覆るか覆らぬか」と言っているのも、切ない。

能動の義経と受動の知盛さま。
受動っていうより、受け容れる、という感じでしょうか。

”すべてはそうなるはずのことであった”論に則れば、
確かに知盛さまは、「覆るか覆らぬか」と思っていたのだろうなーと納得してしまうだけに、切ない。

それとも義経も、もう少し先のステージ(たとえば、「安宅」の頃)では、知盛さま論のような思いを抱くようになるのかしら。

あとはですねー
知盛さまが、扇を下向きに持って、揃えた足を90度に開いて立つポージングが繰り返し出てくるんだけど、あのお姿がめちゃくちゃ好き。

・・・と、好きなシーンを挙げていくと、もーぉ キリがありません。

とろこで、義経
「神もっとも澄んで総てのこと瞬時に見え・・・」のシーンですが、

3/29のポストトークで萬斎さんが「モーセ十戒」と仰ってて、

おおっ、
あの海の中に道ができるヤツね!
と、
すごーく共感しちゃったけど、

後で考えたら、
きっと、十戒じゃなくて、
モーセの海割り」と仰るつもりだったのでは?

なぜか通じちゃいましたが。