萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

「大槻文藏裕一の会東京公演」を観る

3月6日、観世能楽堂へ。
1ヶ月ぶりの能楽堂です。

まず、
「伝承ということ」というテーマで、大槻文藏さまと萬斎さんによる対談。
聞き手は、なんと亀井広忠さん!

「神3」による夢のトークタイムでした!!!
お三方ともに、舞台をおつとめになる時は神々しい耀きを放たれるけど、
トークに於いても同様でした。

スゴいお方というのは、全方位に
おいてスゴいのですねー

このドリーム対談の立案者は、裕一くんだそうで。
その裕一くんを「能のオタク」と仰る広忠さんが、やたら嬉しそう。

裕一くんは、中学生のころから単身で、銕仙会や国立能楽堂公演を観に行ってそうで。
大阪から新幹線で!

とにかく能に夢中で、ここまでの人って他に居ない、という広忠さんに対し、

「いえ、もっとすごい亀井広忠さんて人がいます」と、萬斎さん。
笑みを含んだ眼差しが、優しーのです。

ひゃふっ、
このラブラブな、空気ったらなんなんでしょう?!

あまりに親密で、くつろいだ空気に満ちているもんだから、
私は、ほんとにここで、こんなハッピー会話を聴かせていただいてよいのぉ?、と心配になってくる。

わたし、いま盗聴してる分けじゃないよね?
合法的にコレを聴けてるんだよね?
と、何度も心中で自問したほど。

広忠さんは、「石橋」の時とかの咆哮とはうってかわって、穏やかに柔らかくお話しなさる。

そして、相槌のお言葉が絶妙。
話し手の論旨が一滴たりとも、こぼれることなく伝わった、ということが明確にわかるようなレスポンスをなさるんです。

こんな聞き手には、そりゃー滑らかに心中を語りたくなっちゃいますね。

お三方とも鬘桶に座られたのだけど、萬斎さんの鬘桶だけ明らかに座面が高かった。
なんででしょ?

対談のあとに
「二人大名」。
通りの者が万作さん、
大名が萬斎さん&裕基くん。

この演目の、この配役!
なんどアンケートでリクエストしてきたことか!!

よくかかる演目ながら、萬斎さんがシテをなさることが多く、これまでずっと叶わずにおりました。

前日から私は、もう楽しみで楽しみで、録画してある「七転び八起き」(にほんごであそぼ)をリピートとしつつ、

くうーっ
明日、これをライブで観れちゃうんだ~
とニマニマでした。

そして、ついに迎えた「おきあがりこぼし」ライブは、サイコーでした!

膝だちの姿勢で、身体を斜に反らせる舞が、そらもぉカッコいいのなんの!!

「ワッハッハッハッ、まだせい、まだせい」
と万作さんが煽る。
私も「そそそ、まだまだ~」と心中で大喝采でした。

文藏さま&広忠さんによる
一調「土車」。

文藏さまにから不思議な色気が滲みます。
ほわー
文藏さまってば、さすらいのヒトがお似合いになるのかも。
「芦刈」とか、めちゃくちゃ素敵
なんじゃないでしょうか。

・・・なとど思っていたら、続く演目が、

観世三郎太くんの
仕舞「笠之段」。

さすらいモード気分に浸れる番組編成なっていたのですねー

休憩を挟んで
「海士 懐中之舞」。
シテが裕一くん、
子方ちゃんが谷本康介くん。
ワキが宝生欣哉さん、
ワキツレが則久秀志さん&大日方寛さん。
アイが野村太一郎くん。

囃子方が竹市学さん&鵜澤洋太郎 さん&亀井忠雄さん&林雄一郎さん。
地謡は、大槻文藏さまを地頭に8人編成。

陰のある母親のお役が、なぜ裕一くんは、こうもお似合いになるのでしょうか?
以前に望月のツレを拝見した時も思ったけど、
二十歳そこそこの男子が、このような情感のたゆたいをみせることがてきるのが、不思議でなりません。

テールグリーンの水衣の下から
チラ見えしていた縫箔が可愛い。
白磁色の地に、柴草の模様と、変化に富んだ姿態の燕ちゃん。
八掛は抹茶色。

こんな愛らしいお着物をみると、
しみじみ嬉しくなってしまう。

それと!
やっぱり谷本康介くんは、いい。
昨年末のMIRAI能でも唸ったけど、またまた唸らずにはおられまんでした。