萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

「宝生月浪能 特別会」を観る(その1)

今年初の宝生能楽堂へ。

「翁 烏帽子之祝儀」
翁が和久荘太郎さん、
千歳が藤井秋雅さん、
三番叟が裕基くん、
面箱が石田淡朗くん、
狂言後見は萬斎さん&高野さん。

笛が藤田次郎さん、
小鼓頭取が幸信吾さん。

この方の素襖裃が、ウィリアムモリスちっくな模様で楽しくなる。
脇鼓が森貴史さん&住駒匡彦さん。

大鼓が広忠さん。
わーっ
今年ハツの広忠さん~
紫色の松皮菱模様の素襖裃に、若紫色の熨斗目。

地謡は七人で、橋掛りに2列に座られました。

揚幕から裕基くんのお姿が現れた時、いっしゅん萬斎さんかと思った。

事前に番組表は見ていたので、三番叟を裕基くんがなさることは、知ってたのに。

ビジュアルというより、肩の辺りから天井までの空間が、萬斎さんが形成なさるのと同じなんだもの。

三番叟が面箱と問答するときの裕基くんのお声が、めっちゃくちゃ素敵だった!

しかも、この問答が通常とは全く違っていて、かなり長いのです。

最高のお声を存分に聴けて、そのうえ問答の中身も面白い!

とっても興味深い問答だったので、帰宅してから、手元の本でセリフを復習しちゃいました。

裕基くんから淡朗くんへの問い掛け
『唯今翁の大夫殿の召されたる烏帽子は、何と申し候ぞ。』

←「狂言の道」(野村万蔵(六世)著)から引用させていただきました。以降の『』付き文も、同書籍からの引用ですに。

淡朗くん
『あれは立烏帽子と申し候。』

続いて裕基くんは、左半身を少しひいて、囃子方の方を指し示しつつ、淡朗くんに再び問い掛けます。

『またアドの大夫殿。これなる囃子方の衆の召されたる烏帽子は何と申し候ぞ。』

淡朗くん
『これは折烏帽子と申し候。』

それを受けて裕基くんは、
《立烏帽子に折烏帽子だなんて、どっちもめでたいネーミングだから、祝ってあげるよ》←私のテキトー意訳です。以降の《》付き文も、同様に私のテキトー意訳です。

淡朗くん
《どーにでも祝っちゃってください~》

裕基くん
『先づ四方に四萬の蔵を立て烏帽子、その中にどうと折り烏帽子候よ。』

このタイミングで洒落なんて言っちゃうだ~、とワクワクが募る私。

淡朗くん
《めでたいですねー
こっちからも訊いていいですか?》

裕基くん
《何でしょ?》

淡朗くん
『唯今翁の大夫殿の召されたる烏帽子にも違ひ、将棊の駒なりに候は何と申す烏帽子にて候ぞ。』

裕基くん
《これはねー、あれだよ》

淡朗くん
《なになに?》

裕基くん
『天より七珍萬寶が、このところへふらりふらりとふり烏帽子候よ。』

淡朗くん
『そりゃメデタイ』

で、このあとは通常の
鈴を参らしょ~・・・となったのでした。

淡朗くんが訊いてるのは、剣先烏帽子のことなのでしょうね。
とにかく烏帽子にめっちゃ執着する二人なのでした。

なんて不思議な問答なんでしょー

ちなみに、万蔵さん(六世)のおうちでは元来、「烏帽子之祝儀」は、翁が数日続いて上演された場合の二日目に附く小書なのだそうです。←この情報も、「狂言の道」(野村万蔵(六世)著)に記載されていました。

また、知人から教わった情報によりますと、「烏帽子之祝儀」は、
「翁」と「烏帽子折」が同時上演になったときのみに附く小書なのだとか。

そうなのです。
この日の番組は、最後の演目が「烏帽子折」だっのです。

が、今日はここまでにしときます。
続きは、また後日に。
(その2に続く)