萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「青木豊三十年祭追善能」を観る

12月8日、国立能楽堂へ。

「翁」
翁が青木一郎さん(披きとのこと)、三番叟が萬斎さん、千歳が梅若志長くん、面箱が石田淡朗くん。
淡朗くんは、もしや面箱の披きだったでしょうか。

笛は一噌幸弘さん、
小鼓頭取は鵜澤洋太郎さん、脇鼓は&田邊恭資さん&飯富孔明さん、大鼓は柿原弘和さん。

狂言後見は、中村くん&太一郎くん。

淡朗くんは勿論のこと、千歳にも三番叟にも、清新な清々しさが感じられます。

萬斎さんは、鶴亀・松が染め抜かれた紺紫色の直垂、朱色ベースの格子の厚板。

この日の萬斎さんには、11/28の万作さんのテイストがあったような。
10/26のメラメラがみなぎる三番叟から一転、萬斎さんが動かれるごとに癒しが満ちていく。

色んなことに感謝だよー
幸せだよー
という気持ちになった三番叟。

お席の位置とか、その時の私自身のコンディションとか、様々な条件も関係してるのかもしれないけど。

「樋の酒」
太郎冠者が万作さん、次郎冠者が深田さん、主が裕基くん。 

裕基くんは、ブルーグレーの段熨斗目、甕覗色の向かい鶴菱形模様の長裃。
裕基くんの長裃のお姿って、しみじみ絵になります。

万作さんが美味しそーにお酒を飲むと、楽しさが伝染していきます。
それが、私だけじゃなくて、自分の周りに座ってる見知らぬ方々にも伝染してってるのが分かるんです。
これは気のせいじゃないと思う。

「望月」
友房が青木健一さん、
その主の忘れがたみ・花若が梅若万佐志くん、
その母が梅若泰志さん。

望月が宝生欣哉さん、
その下人が高野さん、
囃子方が、一噌隆之さん&曽和正博さん&國川純さん&小寺真佐人さん。

高野さんの肩衣は、焦茶色地にびゃくろく色の雲と鶸色の雁。
初めて見たデザイン。

ストーリーを知ってるのに、敵討ちが上手くいくかドキドキしました。
途中で高野さんが、友房の正体を感づくんじゃないか、と。
こういう時の高野さんて、実に憎たらしいの(誉め言葉)です。

三連日に及ぶ能楽堂通いの最終番組でしたが、敵討ちが成就して、スッキリ週明けの仕事を迎えることができました。