萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「観世九皐会1月定例会 第1部」を観る

1月8日、矢来能楽堂へ。

「翁」 
翁が小島英明さん。
披きだそうです。
千歳が桑田貴志さん。

三番叟が岡さん。
岡さんも披き〜!
面箱が飯田くん。

笛が竹市学さん、
小鼓頭取が曾和正博さん、
胴脇が住駒充彦さん、
手先が曽和伊喜夫さん、
大鼓が柿原孝則さん。

狂言後見が萬斎さん&深田さん。
火打ち石は坂真太郎さん。

岡さんの直垂は丈ピッタリ。
三番叟用の直垂で、岡さんの身長に合う装束があって良かった。

このあたり乃会(解散しちゃったけど)のお仲間の飯田くんが面箱というのも、岡さんへのはなむけに感じられます。

地謡メンバに佐久間二郎さんがおられたのも、嬉しい。
佐久間二郎さんは折にふれ、岡さん推しのツイートをしてこられたので、私は一方的に連帯感を抱いていまして。

なので、佐久間センセ〜、ついにこの日が来ましたねー!
と、地謡座へ念を送っておりました。

そして、岡さんには失礼ながら、母親の心持ちで見守らせて頂きました。
岡さんが無事に披きを終えられて、今はホッとしています。

岡さんは意志とは関係なく、動かされてる風。
囃された身体が五穀豊穣の道具として、操られているかのような。
古来の三番叟は、こうしたものだったのかも、という気がしました。

萬斎さんが踏む三番叟が好きすぎて、私にとってのスタンダードになってしまっているけど、対比が興味深かったです。
萬斎さんは卓球のラリーみたいに囃子方と呼応したり、時には、囃子方を煽ったり、という印象なので。


「昆布柿」
奏者が萬斎さん、
淡路の国の百姓が太一郎くん、
丹波の国の百姓が裕基くん。

裕基くんは王子の気品。
前日にラジオで裕基くんがハムレットへの思いを語るの聴いたせいでしょうか。
掛け素襖ルックのハムレット出たーっ
と思ってしまう。

萬斎さんは、侍烏帽子、松葉柄の錆納戸色の素襖裃、金茶の段熨斗目。
先程の後見の時とは打って変わって穏やかなお顔。

ラストに、奏者サマとお百姓コンビの御三方が、ケンケンするのが楽しい。

御三方が徐々にノリノリになってゆくと、多幸感が放出されていくよう。
新春もち投げみたいに、多幸感を見所へ大盤振る舞いしていただきました。

奏者サマは、去り際に袖をシュッと翻し、長裃をザッと捌かれ。
この所作、久しぶりに観た!

この所作を観ちゃったら、萬斎さんがなさる末広かりの果報者が、たまらく懐かしくなりました。
今年どこかで演ってくださらないかしら。