萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「能を知る会 東京公演」を観る

9月22日、観世能楽堂へ。

狂言は「蚊相撲」。
大名が萬斎さん、太郎冠者が石田さん、蚊の精が太一郎くん。

大名さまは、古代紫&鶸色&サーモンピンクの段段熨斗目、水色の襟、
紺色の地に色々な紋が配された素襖裃。

この素襖裃、脛の辺りで無地の同色の生地が継ぎ足されているのですが、私はこのお装束が妙に好きなのです。

修繕しながら大切に使ってる愛着が感じられるし、
紋の柄が途中スッパリ切られてしまったことで、前衛なデザインになってるとこも好き。

お相撲を取ることになった大名さま、振りかざして、かーっと拡げた手がきれい。
そして最後の「まいったか?」が可愛い!!

しかし付き合う太郎冠者は大変だ。
大名に奉公するっていうのは、家事とかの業務だけじゃなくて、
遊び相手になることも含まれていたのですねー

能は「土蜘蛛」。
謎の僧&土蜘蛛が中森貫太センセ、
源頼光が観世喜正さん、
胡蝶が永島充さん、
頼光ノ従者が中森健之介くん。

独武者が殿田謙吉さん、その従者が則久英志さん&野口琢弘さん。

独武者ノ下人が裕基くん。

囃子方は、広忠さん&飯田清一さん&小寺真佐人さん。
お笛の方は、お名前はからず。

裕基くんは、シュッとしていてキビキビ動く敏捷な下人クンでした。
お声の幅があって、特に低音のお声がうつくしい。

土蜘蛛を成敗したあとの独武者は、切なそうでした。
うぇーい 勝ったぜ!という感じはなくて、
「ごめん、こうするしかないんだよ」とでも言いたげな。

今回は、見所への糸の飛来が殆どなく、ちょっと残念。
コロナ感染対策だったのかも。

でも、時間としては短いのに、観た~っという満足感でいっぱいの公演でした。楽しかった。

能を知る会に萬斎さんが出られる時の狂言って、
お能の演目とリンクするような選曲になってることが多いですが、
今回は、虫の精つながりでしょうか。