萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「国立能楽堂 五月 定例公演」を観る

5月17日、国立能楽堂へ「国立能楽堂 五月 定例公演」を観に行ってきました。
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「鱸庖丁(すずきぼうちょう)」
伯父が万作さん、
甥が裕基くん。
後見が飯田くん、
幕が岡さん。
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裕基くんは、テールグリーン地にサヤエンドウの肩衣。すっきり涼やかなお姿〜
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伯父は、スズキ料理後のシメに供するお濃茶の事まで詳らかに予告するんだけど、
「ほーほー、むくむくと・・・
ほってりと点てましたを」
なんて言い回しが出てきて、やたらと美味しそう。
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伯父が甥にに散々期待をさせておいて、ツイッとはぐらかす遣り口に、ぷっと笑ってしまいました。
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狂言に登場する伯父は、優しく寛大な人格者が多いですが、この伯父は全く違います。
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甥の嘘を見抜きつつ、頭ごなしに叱責するんじゃなくて、同じレベルまで降りていって仕返しする、というお茶目さがあり、デゴワイ相手なのです。
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今回、裕基くんがプロンプターをなさる場面がありました。
あまり出ない曲だし、かつ、この曲のシテは裕基くんは未経験のはずなのに、裕基くんはシテのセリフも覚えておられるんだ!
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後半の別の場面では、飯田くんもプロンプターされていました。
稀曲なうえに、ほぼシテの語りなので、中々のハードルなのですね。
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「野守 白頭(はくとう)」野守の翁&鬼神が大槻文藏さま、
山伏が福王茂十郎さん、
同行の山伏が矢野昌平さん&村瀨提さん、
所の者が石田幸雄さん。
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笛が松田弘之さん、
小鼓が飯田清一さん、
大鼓が柿原弘和さん、
太鼓が小寺真佐人さん。
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前シテの肩と背中が綺麗。
面も気品がありましたが、後ろを向いても綺麗っていうトコが、さすが文藏さま。
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後シテの鬼神は、立ち去り方がダイナミック。
「大地をかっぱと踏み破って」地底に消え去る、と!
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地を踏み破るもは、なんと斬新な発想なのでしょうか。
囃子もジャンッという感じで唐突に無音になり、イキナリ終わる感じがカッコ良かったです。
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