萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

「国立能楽堂 4月 普及公演」を観る

4月10日、国立能楽堂へ。

最初に、小田幸子さんによる
解説「能楽あんない 闇のうつつ」。

夕顔は、頭中将の元カノです、と解説くださり、おお、そうだった、と私は一気に記憶が甦りました。

私の源氏物語の知識は、高校生の時に読んだ「あさきゆめみし」がベースなので、その漫画に出てきた夕顔のイメージが、まざまざと。

「夕顔」は、金春流では2018年に復曲されたそうですが、そのキッカケは、大河ドラマ真田丸」だったのだとか。

その時、お能の監修(相談役って仰ってたかも)を務めておられたのが、山井綱雄さん。

その関連で、秀吉が「夕顔」を舞った記録があるから、大河のなかでも「夕顔」を舞って欲しい、というリクエストがあったのですって。

その時は、金春では「夕顔」は現行曲ではないから、と、代わりに「源氏供養」を舞ったそうで。

後日、そのことを山井さんが金春
安明さんにお話ししたら、江戸時代の???(聞き取れず)と、型付を出してくださった、と。

それを元にして復曲に至った、とのことでした。
現行曲でなくても、江戸時代の資料がポンと出てくるもの?!

代々のご宗家が、いつか役に立つかもしれないから仕舞っておこう、と、受け継ぎ続けてこられたのでしょうねー

断捨離ルールでは、1年以上手に取っていないものは捨てる、なーんて申しますが、そんなルールでは測れない事もある、とゆーことですね。


「呂蓮」
出家が万作さん、
宿主が石田さん、
その妻が岡さん、
後見は内藤くん。

今回の公演は、"月間特集・日本人と自然)春夏秋冬”なるシリーズの”夏”verに当たるのですが、なぜ
「呂蓮」が選曲されたのか?と不思議でした。

が、出家のセリフの中で、命の儚さを朝顔に例える件があったんですねー

おお~、朝顔だから夏ってことか、と観てる最中に、漸く気付きました。

万作さんは、飄々として、気ままな風情が魅力的。
宿主がつい憧れてしまったのも、頷けます。

妻に気付かれる前に万作さんと共に宿を出奔してしまえば、
宿主の出家は成功したのに。
惜しかったですねー

終演は13:55。
このあと万作さんは三鷹ですが、
出番は2番目のようなので、きっと余裕でしょう。


「夕顔」 
都の女&夕顔の上の霊が本田光洋さん。
旅僧が飯冨雅介さん、
従僧が有松遼一さん&岡充さん。
所の者が萬斎さん。

笛が藤田次郎さん、
小鼓が鳥山直也さん、
大鼓が柿原光博さん。

後見が金春安明さん&本田芳樹さん。

地謡は、舞台に入ってきてから後ろを向いてマスクを着け、クルリと前を向くスタイル。
マスクは暖簾タイプで、顎のチョイ下くらいの長さ。

萬斎さんのアイに聞き惚れました。
沈鬱なんだけど、ウェットになりすぎない、低~い響きのお声。

萬斎さんてば、亡くなっちゃった女性のことを語るアイをなさると、特別に絶品です!!

萬斎さんのアイは、14:58~15:15まで。
橋掛りに戻られて、いったん座られましたが、その後わずか数十秒で切戸口から退出してゆかれました。

この日のラジオのお話から察するに、この後、電車で三鷹駅へ直行されたのですね。

夕顔の上が儚げでたおやか。
ビジュアルは「あさきゆめみし」の夕顔とは全く違うのに、高校生の時に感じた夕顔のイメージと、不思議なくらいピッタリ合っておりました。