萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「東京能楽囃子科協議会 別会能」を観る




1月30日、国立能楽堂へ。

お囃子がカッコいいお能を観ました!
「難波 羯鼓出之伝」です。

囃子方が企画なさった公演ということは、囃子方として、これを打ちたい、もしくは吹きたい、との思いでセレクトされたってことでしょうか。

だとしたら、大成功だったんじゃないかと。
とにかく、お囃子の主張が、前場からガンガンに強めで。
でも、それが気持ちよく響いてカッコ良かった!!

白洲正子さんが何かのエッセイの中で、お能を観てるとノッてきて、じっと座ってるのがやっとである、というような事を書かれていましたが、
まさに、そんな感覚でした。

事前に詞章を読んでいたんだけど、字面から感じたフワワ〜ンとした雰囲気を裏切られました。良い意味で。

配役は、
シテが川口晃平さん、
前ツレが坂真太郎さん、
後ツレが坂口貴信さん。
ワキが福王和幸さん、
ワキツレが村瀬慧さん&村瀬提さん(矢野昌平さんから変更)。
アイは石田幸雄さん(中村くんから変更)。
囃子方は、藤田貴寛さん&田邊恭資さん&大倉慶乃助さん&金春惣右衛門さん、でした。

石田さんの扇が、青梅の実の絵。
すき!

「難波」は、この日の大トリで、その前の演目は、「棒縛」。

太郎冠者が万作さん(萬斎さんから変更)、次郎冠者が裕基くん、
主人が太一郎くん(万作さんから変更)。
後見は淡朗くん。

裕基くんが縛られたまま舞う姿が美しい。長い首が大活躍です。

人類の中で、首の長さ有効活用してるヒト選手権があったら、裕基くんがトップかも。
長い首を持って生まれた人物が狂言師になり、更に、縛られた状態で首を腕の代用として操りながら舞う、という配役を割り振られる、という稀有な巡り合せに感謝です。

書く順番が前後しましたが、番組としては、下記の構成でした。

素囃子「神舞」
熊本俊太郎さん&飯冨孔明さん&柿原孝則さん&澤田晃良さん。

舞囃子「安宅 滝流之伝」
観世銕之丞センセ。
囃子方は一噌幸弘さん&曽和正博さん&亀井洋佑さん。

舞囃子「胡蝶」
大坪喜美雄さん。
囃子方は、熊本俊太郎さん(寺井義明から変更)&森澤勇司さん&柿原光博さん&大川典良さん。

舞囃子「野守」
辰巳満次郎さん。
囃子方は、成田寛人さん&森貴史さん&佃良太郎さん&梶谷英樹さん。

一調「屋島
観世三郎太さん&広忠さん。
広忠さんは、滅紫色の紋付に、亜麻色の袴。

一調「八島」
宝生和英さん&大倉栄太郎さん。

一調「八島」
金剛龍謹さん&國川純さん。
國川純さんは、かちん色の紋付に黒の袴。紋付と袴の微妙な色調の違いが渋い〜!
で、この後に、棒縛、難波、という流れでした。

この日は、3週間ぶりに萬斎さんを観れるはずだったのが、叶わず。
萬斎さんご不在ながらも充足した公演ではありましたが、萬斎さんがご出演されていたら、ハイパー充足だった事でしょう。
ご回復を祈るばかりです。