萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

「第四十回テアトル・ノウ東京公演 天下泰平 国土安穏 ーコロナ終息祈願ー」を観る

12月27日、国立能楽堂へ。

素謡「神歌」
翁が片山九郎右衛門さん、
千歳が観世淳夫さん。

翁は、年明けのマスト曲という印象がありましたが、1年の締めくくりにも、ふさわしい曲でした。

地球規模で大変なことが起こった今年、という年に聴くと、
この曲がつくられた遥か昔にも、きっと大きな困難があって、
そんな時に必然から、この曲が生まれたのかも、という気持ちになります。


能「羽衣 和合之舞」
天女が味方玄さん、
漁師・白漁が宝生欣哉さん、
同行の漁師が大日方寛さん御厨誠吾さん。

大鼓が亀井忠雄さん、
小鼓が成田達志さん、
笛が杉信太朗さん、
太鼓が前川光範さん。

地謡は、九郎右衛門さんを地頭に、6人編成。

欣哉さんは、藍色&白&胡桃色の段熨斗目、枯葉色の水衣、白大口。

この段熨斗目が、めちゃくちゃオシャレ。
白のエリアに、観世水チックな絣の模様が、スーッ スーッと配されているのです。

水衣を肩上げにしてらしたので、段熨斗目の柄がシッカリ見えたのでした。


狂言「樋の酒」

太郎冠者が萬斎さん、
次郎冠者が高野さん、
主が石田幸雄さん、
後見が多一郎くん。

太郎冠者さまは、白地に緑&辛子色の格子の縞熨斗目、紺の襟、瓢箪紋の腰帯、煉瓦色の狂言袴。

高野さんは、この美味しいお酒を
何とかして萬斎さんと分かち合いたい、と切実に思ったすえに、樋を利用しよう、と着想します。

この曲って、
次郎冠者の行動力が太郎冠者を上回っている、というレアケースなのですね。

「棒縛」や「附子」や「文荷」は、太郎冠者が率先して色々やらかしていますが。

高野さんのお陰で、ようやくお酒にありついた萬斎さんが実に嬉しそうで、私もマスクの下でニマニマです。

お酒を呑む音も、タッと舌を鳴らす音も、なんて美味しそう。

酒宴で謡う低いお声が美しく、酒蔵の音響効果なのねー
と思ってしまう。
酒蔵は単なる設定のはずなのに。

こんなに年の暮れが押し迫った時期に、萬斎さんの狂言を観れた幸福に感謝です。


浅見真州さんによる仕舞「邯鄲」。  
観世喜正さんによる仕舞「鍾馗 キリ」。


半能「石橋 大獅子」
白獅子が味方玄さん、
赤獅子が味方團さん、
子獅子が武田祥照さん&小早川泰輝さん。

寂昭法師が宝生欣哉さん。

大鼓が広忠さん、他の囃子方3名は、先程と同メンバ。

地謡は、観世喜正さんを地頭に、こちらも6人編成。

超アグレッシブな石橋でした!
獅子のお役を、あれくらいの年齢層の方々で固めると、もーれつな破壊力のある舞台になるのですね。

本舞台の獅子も観たいが、
橋懸りの獅子も観たいし、
広忠さんも観たい~
もっと視聴覚が欲しいぃ、という贅沢なジレンマ。

キッと仰向く獅子たちのシンクロが、特にカッコよかったです。