萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第二回 野村太一郎 能楽特別公演」を観る

6月4日、観世能楽堂へ。

最初に太一郎くんが登場されてご挨拶。
黒の羽織をお召しでした。
今回はお父様の17回忌追善特別公演、と銘打たれていたので、その意味を込めての羽織でしょうか。

仕舞「小袖曾我」 
観世三郎太くん& 観世淳夫さん。
この翌日の大河ドラマにも曽我兄弟がちょうど登場し、なんともタイムリーです。

狂言「蝸牛」
山伏が茂山千五郎さん、
主が茂山千之丞さん、
太郎冠者が茂山逸平さん。
ところどころ万作さんチ版とは違って、興味深い。

仕舞「江口」野村昌司さん。

狂言「武悪」
主が万作さん、
武悪が萬斎さん、
太郎冠者が太一郎くん。
後見が裕基くん。

万作さんの装束すてき!
雲丹ちっく柄のテールグリーンの長裃、老竹色&紺&金茶の段熨斗目。
しぼのある質感も美しい。
強めの色調ながら品格があって、冷酷さと気品を併せ持つ主の人となりにピッタリ。

萬斎さんは、ゼンマイ&笹が配された勝色の肩衣、蝙蝠の腰帯、
鉄紺地にカナリア色の格子の縞熨斗目、
藍色の狂言袴、同色の襟。
得体の知れない陰があって魅力的。

太郎冠者に討たれて死のう、と武悪が覚悟するシーンが印象的でした。

自分の振る舞いを反省して死を受け容れる、というんでなく、この理不尽な世には見切りを付けた、という風。
主従の縁を主の側から切ったはずなのに、武悪の方が主をバッサリ見限ったようで。

小舞「菊の舞」遼太くん。
小舞「通円」石田幸雄さん。
2週間ほど前に「頼政」を観たばかりだったので、対比が楽しい。

狂言「鬼瓦」
大名が三宅右近さん、
太郎冠者が三宅右矩さん。

仕舞「玉之段」梅若紀彰さん。

仕舞「卒都婆小町」観世銕之丞さん。

一調「屋島」観世喜正さん。
大鼓 大倉正之助さん。

一調「勧進帳」梅若桜雪さん。
大鼓 広忠さん。

舞囃子「融 酌之舞」観世宗家。
笛が竹市学さん、
小鼓が鵜澤洋太郎さん、
大鼓が広忠さん、
太鼓が林雄一さん。

新作能「白雪姫」
構成が太一郎くんのお父様、
演出が太一郎くん、
監修が萬斎さん。
  
女王・魔女が太一郎くん、
太郎冠者が裕基くん。
白雪姫が坂口貴信さん、
王子が観世三郎太くん、
鏡の精が大槻裕一くん。

七人の小人には、それぞれ名前があって、
先生:深田さん、
てれすけ:内藤くん、
くしゃみ:中村くん、
ねぼすけ:月崎さん、
おこりんぼ:岡さん、
ごきげん:淡朗くん、
おとぼけ:高野さん。

囃子方は、融と同メンバ。
後見は谷本健吾さん&観世淳夫さん。

面白かった!
従来の狂言で使われてる定番フレーズが散りばめられていて、
あっ、そのワードがそんな風にピタッとハマるんだー、と感嘆する場面がいっぱい。

登場人物ワンサカなのに、舞台上の様式美が保たれていて、お芝居っぽくなり過ぎていないのも、気に入りました。

ちょっと「鉄輪」っぽい。
なので、女王が退治されてしまった時は、メデタシメデタシという安堵よりも、哀しい喪失感のある余韻が残りました。
悪女は、こうでなくては!

あと、最後の方で女王が付けていたティアラが白雪姫に冠されるのが、ちょっとコワイ。
ゆくゆく次世代の美女が出現したら、白雪姫も女王と同じような行動を取る事になる、と暗示してるのでしょうか。

そんな中で、裕基くん太郎冠者は、ドス黒さとは無縁の清浄感をまとっていて、爽やかなこと、この上なし!

そして、七人の小人たちがキュート〜
特に高野さん!!

見所になつ葉ちゃんらしき少女。紺のワンピ姿が愛らいしい。
いつか、なつ葉ちゃんも白雪姫に出られたりしたら、もっと楽しそうです!