萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「野村万作卒寿記念 万作を観る会」を観る

11月21日、国立能楽堂へ。

舞囃子高砂 八段之舞」 観世宗家
囃子方は亀井忠雄さん&大倉源次郎さん&小寺真佐人さん&一噌庸ニさん。

狂言「枕物狂」
祖父が万作さん、
孫が太一郎くん&裕基くん。
乙が遼太くん。
地謡は、萬斎さんを地頭に、高野さん&中村くん&内藤くん&飯田くん。
大鼓は、忠雄さんから広忠さんへバトンタッチ。
他の囃子方は、高砂の御三方が続投。
後見は石田幸雄さん&深田さん。

枕が小道具として登場するらしい、という予備知識はあったのですが、想定外の枕でした。
「邯鄲」の枕くらいのサイズ感かと思いきや、太巻ハーフサイズの枕で。

裕基くんのお姿が、凛々しい。乙とジイジの橋渡しは、どうやら裕基くんが担った様子。
誠意あふれる交渉っぷりだったことでしょう。

ラスト、奥の間(のつもりの幕)へ入ってゆく時に、万作さんが背後の乙を振り返る様子が微笑ましい。
ちゃんと付いてきてくれてるかな?、と確かめたくなっちゃったのでしょうね。

狂言「鬮罪人」
太郎冠者が萬斎さん、
主が石田幸雄さん、
立衆が深田さん&高野さん&竹山さん&内藤くん&飯田くん&淡朗くん&岡さん。

囃子方は、枕物狂メンバが続投。
後見は月崎さん&中村くん。

狂言方が主催する会なのに、全ての演目に囃子方が出演なさるとは豪華。
しかもオール太鼓いり。

くじ引きの結果確認の場面、鬼を引いたのは?、と言う所で、萬斎さんがビュインッと滑走しつつ跳ね飛び、俺っス!、と。
そのスピード感といったら!!

そしてイザ、鬼の扮装をしてからは、ぴょんぴょん跳ねること、跳ねること。
跳ねる毎に明るいエネルギーがスパークするよう。

立衆みんなが主に同調しないで、太郎冠者の意見に加勢するのが気分いい。
お調子者の太郎冠者が、どんどん増長するのも、爽快でした!

今回は万作さんのお祝いの会ながら、万作さんは直面をお出しにならない潔さ。
ストイックなお方です。