3月15日、観世能楽堂へ。
番組表の表紙は、心地よい質感の和紙。
中を開くと、木月孚行さんの遺影が。
番組の抜粋を、ブログ最後に記載しておきます。
「鷺」
鷺が観世宗家。
アイが裕基くん。
裕基くんの幕が岡さん。
ふふふふふ―
アイなのですが、幕の袖からでなく、ちゃーんと幕があがっての登場なのですー
なにしろ、最初に登場するのです。
裕基くんのお役は、王に仕える官人で、いまから王がこちらの池に御幸されますよー、と
お触れをします。
裕基くんは、
侍烏帽子、
薄萌葱色&ブルークレー&白の段熨斗目、水色の襟、
濃紺&浅葱色の地に鶴亀・折鶴が配された掛け素襖。
狂言袴は白地に秘色色の青海波で、括り袴に。
お声の階調の幅がめちゃくちゃ拡がってる!
特に低音の幅が。
そのためか、“マ“がとても豊かに感じられました。
アスリートだったら、この状態を「仕上がっている」というのでしょうね。
3/20に予定されていた奈須の披きに照準を定めて、
ピーキングしてこられたに違いなく。
その仕上がっている身体で務められたアイ。
拝見できた幸せに感謝します。
王の蔵人が森常好さん。
番組表にワキツレのお名前がなかったけど、
王の輿舁は殿田謙吉さん&高井松男さん。
他にも王のお供がいっぱい出てきて、
館田善博さん&則久秀志さん&梅村昌功さん&工藤和哉さん、
あともうお一人おられたのですが、お顔が見えず。
とにかく舞台上に人がびっしりで。
ワキ方だけで8人も!
宗家はオールホワイト装束。
その中で、天冠の鷺のくちばしと足だけテールグリーンで、これが実にきれい。
いったんは王のために自ら捕らえられた鷺ですが、王が放してあげるよう、蔵人に命じます。
森常好さんが宗家を抱えて解き放ったところでは、ほんとーに宗家が羽ばたき、飛翔する鷺に見えちゃうんだから不思議。
「悪太郎」
萬斎さんが悪太郎、石田幸雄さんが伯父、太一郎くんが僧。
後見が高野さん、幕が岡さん。
前場の萬斎さんは、茄子紺&黄丹色&グリーンの格子と、イタリア更紗っぽい柄の段替の厚板をアウター、
濃紺地に白の輪宝紋の腰帯、
白地に紺&枇杷色の格子の縞熨斗目、紺の襟、
濃紺地に白の輪宝紋の腰帯、紺の狂言袴。
蜜柑色に金糸でトリーバーチちっくな模様入の燕尾頭巾。
酔っぱらった挙句、立ち上がろうとして、スッテンと尻餅をつくお姿のフォルムの美しさよ。
「靭猿」で大名が「月を観たり」とピタリと型をキメル場面かと思うくらい、
「スッテン」がキマってる。
長刀を振り回して暴れるところは、華やかな舞のようでした。
「道成寺」
シテは木月宣行さん。
ワキは宝生欣哉さん。
こちらの演目も番組表にワキツレのお名前がなかったけど、大日方寛さん&御厨誠吾さん。
小鼓は源次郎さん。
小鼓後見(前場)は、大倉伶士郎くん!
囃子方は長裃だったのですが、
伶士郎くんは源次郎さんの長袴の裾を
背後から甲斐甲斐しく整えます。
狂言方の鐘後見は、入場された順に書くと、
深田さん&飯田くん&裕基くん&太一郎くん。
すなわち、太一郎くんが滑車通し、それを受け取る側が深田さん。
太一郎くんの滑車通しは、とてもスムーズでした。
さて、鐘を吊り上げるときのこと、
裕基くん&飯田くんが2本の竿をまず本舞台の前方へ。
はわわーっ
舞台の際の際まで裕基くんが。
近っ
なんとゆう清涼感。
竿を注意深く、丁重に扱う所作もうつくしい。
眼差しは伏せられ、控えめではあるけど、揺るぎない強さも感じられ。
前シテの唐織は枝垂桜&鳳凰の柄。
糸巻モチーフは必須というわけではないのですね。
鐘入り前に、足を踏み鳴らすとこの音ハメ感がワクワク高揚感を煽る~
アイは、内藤くん&中村くん。
内藤くんのオモアイの披きだったのですって。
ご本人のTwitterで、後日、知りました。
前シテにデレデレしちゃうトコとか、
カネ落下報告後に「心がゆるりとした」と言うトコとか、
うん、良かったねー、と、つい声を掛けたくなる朗らかさがある。
この朗らかさが内藤くんの持ち味なのですねー
なかなかコロナが終息しない状況ではありますが、
今回の会を開催してくださり、ありがとうございました。
以下、番組表から抜粋させていただきました。
(一部、代役があったところのみ、わかる範囲で改めています。)
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独吟 「天鼓」石橋保夫
仕舞 「通盛」大松洋一
「巻絹 キリ」 木月晶子
舞囃子「海士」 木月章行
國川純
幸正昭
林雄一郎
藤田次郎
「鷺」 シテ 観世清和
王 角寛次朗
ワキ 森常好
間 野村裕基
観世新九郎
亀井忠雄
小寺真佐人
一噌庸二
(後見)野村四郎
(地頭)武田志房
舞囃子「松風 戯之舞 山階彌右衛門
柿原崇志
幸清次郎
松田弘之
仕舞 「屋島」 観世三郎太
「隅田川」 野村四郎
「山姥 キリ」観世芳伸
「道成寺」木月宣行
ワキ 宝生欣哉
間 内藤連 中村修一
原岡一之
大倉源次郎
原岡一之
小寺真佐人
松田弘之
(後見)観世清和
(地頭)山階彌右衛門
(鐘後見)上田公威