萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

「第10回 坂口貴信の会」を観る

9月17日、観世能楽堂へ。

お話
リンボウ先生
能楽では、悲壮感を出したい時は、だいたい漢詩を使うんです、とのこと。
パターンとして捉えるという発想が面白いです。
今後はお能漢詩が出てくる度に、リンボウ先生説が当てはまるか検証してみるという楽しみができました。

仕舞
「箙」観世三郎太くん。
「菊慈童」坂口信男さん。

「貰聟」
舅が萬斎さん、
妻が裕基くん、
夫が太一郎くん、
後見が内藤くん。

まず、萬斎さんと裕基くんが本舞台に出てこられて、「居るけど居ない」エリアへ向かわれます。

萬斎さんは、金茶の段熨斗目、水色の襟、鉄紺地に雲丹ちっく模様の長裃。
私がいちばん好きな長裃!
ここぞ、のお役でお召しになるヤツ。

裕基くんは、お花の丸紋が配された白練の縫箔。

なんと美しい親娘。
リアル親子による親娘って、今まで、ありそうで無かったパターンかも。

所作が美しいだけでなく、空間も清らかになる!
お二人は別々の空間に居る設定なので、個々に空間浄化なさっているためか、清らかさも倍増です。

今回のお役の萬斎さんを拝見したのは、初めての気がします。
わからず屋の厳しい舅サマでした。
裕基くんを匿ってたことが太一郎くんにバレた後も、悪びれないトコが、あっぱれ。清々しいくらいでした。

仕舞「遊行柳」
観世清和さん。
なんだかとても良かった。
宗家ご当人に曲の雰囲気がマッチしてたからでしょうか。

「善知鳥」
老人&漁師の亡霊が坂口貴信さん、
漁師の妻が谷本健吾さん、
その子供・千代童が鵜澤虎之介くん(鵜澤洋太郎さんのご子息だそうです)。
旅僧が殿田謙吉さん。
里人が太一郎くん。

囃子方は、一噌隆之さん&飯田清一さん&亀井忠雄さん。

後シテの面が、正面と斜めとで、表情が劇的に違う。
正面アングルも十分に怖しい風貌なんだけど、斜アングルは頬の削げ方というか、えぐれ方が狂気的で。

鳥を獲る場面では、動きが激しくて、こんなお能もあるんだ、とビックリ。
すごい人生を見てしまった。。。という余韻が残りました。
旅僧も、おんなじような気持ちなったのでしょうか。
殿田さんはポーカーフェイスでしたが。