萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「青山能MIRAI」を観る

12月21日、銕仙会能楽研修所へ。

世にも麗しい和製の天使を観ました!
ほんとーに天使の翼があったのです!!

拝見したのは、長山凜三くんの舞囃子「敦盛」。

凜三くんは翡翠色の紋付き。
その両肩からは、ろくしょう色の翼が大きくフワリと拡がっており。

こちらの鏡板は風合いのある飴色で、老松の幹は地色に溶け込んだ色調で、
そのためか、松の葉のグリーンだけが、空中に浮遊して見えるんです。

その松の葉と同系色のお着物をお召しの凜三くんが、
清らかな気配をたなびかせながら舞われたので、松は翼へと遷移しちゃったんですねー

小林幸子さんの巨大ドレスと同じような現象が、意図せずして出現してしまった、と。

凜三くんの敦盛は、哀しみや怒りさえもが、感情の彩りに感じられ、煌めくように魅力的。

戦いの日々の内にも、音曲に心を翔ばす一時があったり、と、対極のベクトルがあるからこそ、感情のうねりが豊かに感じられるのでしょうか。

1ヶ月ほど前に拝見した「菊慈童」の凜三くんとは、またガラリと違った新たな一面でした。
「菊慈童」の時は、感情の触れ幅がもう少し抑制され、老成したオーラをまとってらしたのです。

どっちがいいとかではなく、いや、どっちも好きだけど、全く違うってトコがスゴイです!!

凜三くんは中学2年生とのこと、リアル敦盛に近しいお歳の凜三くんが舞う敦盛は、今しか観れない!
今のタイミングで、この場に居合わせることのできた幸せに感謝します。

銕仙会サマサマですーー

他に、
谷本康介くんの仕舞「猩々」、
馬野訓敏くんの舞囃子「弓ヶ浜八幡」、
銕之丞センセの仕舞「野守」、
谷本悠太郎くんの能「菊慈童」
が上演されました。

トータルで1時間45分ほどでしたが、とても濃く、楽しい一時でした。

次回は、2020年12月19日、
凜三くんは、舞囃子「春日龍神」にご出演だそうです。