萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第十五回 桂諷會 ー長山禮三郎三回忌追善能ー」を観る

11月23日、国立能楽堂へ。


「翁」
翁が長山桂三先生、
三番叟が萬斎さん、
千歳が長山凜三くん!
面箱が裕基くん。
 
三番叟後見は
内藤くん&飯田くん。
 
笛が松田弘之さん、
小鼓頭取が大倉源次郎さん、
脇鼓が清水和音さん
&大倉伶士郎くん、
大鼓が広忠さん。
 
舞台の上に!
好きな方々が!
多過ぎる〜
 
凜三くんが益々りりしくなっておられ!
凜三くんは、暗黒色の松皮菱に鶴亀が配された直垂、亀甲に牡丹?の厚板。
厚板は暖色系と寒色系の段替のようになっていて、襟元は暖色メイン、袂からは寒色がチラ見え。
 
躍動感の中にもヒンヤリした端麗さがあって、それが寒色に呼応して感じられました。
 
桂三先生は、玉虫色の蜀江文様の袷狩衣に、紫地に八藤の指貫。
 
会員限定動画で事前講座を視聴して臨んだのですが、その講座の中で桂三先生が仰ることには、翁が場所を移動する時は全て歩数が決まっているのだとか。
 
神様になってる時に、歩数だなんて瑣末な事に煩わされたくないっ!、という気持ちにならないのかしら?
 
・・・と講座を聞いた時は思っていましたが、
所定の歩数などをこなす事も、神様になるステップの一つなのかな、という気持ちに。
だって、翁の面を外された時のお顔が、神様になったー、というお顔だったので。
 
裕基くんは明るい空色地に鶴亀が配された直垂。
長い橋掛りを進んで来られる姿が美しい。
片膝をついて控える姿も然り。
 
萬斎さんは、茄子紺地に鶴亀・松が配された直垂に、朱色ベースの格子の厚板。
格子の縦ラインは、緑&金&赤墨色の縞のリボン風。
萬斎さんをクリスマス仕様にラッピングしたかのよう。
 
尊い三番叟でした!
ちょうど一週間前に観たはずの三番叟なのに、はげしい渇望感が癒やされたような思いです。
翁での萬斎さんの三番叟は、ほんとうに久しぶり。
スペシャル配役の翁を企画くださった桂三先生に感謝です!!
 
 
狂言「二千石」
主が万作さん、
太郎冠者が高野さん、
後見が裕基くん、
幕が飯田くん。
 
裕基くんは、淡いグレーの紋付裃。
石清水のように気品がサラサラ流れてます。
 
主に謡を所望された太郎冠者が歌おうとすると、
「さて、囃子ものでも呼びにやろうか?」と主。
 
ちょっと店屋物でも取ろうか、という程度の軽いノリで。
 
昔は、そんな風に気軽に囃子方(?)を呼ぶような習慣があったのでしょうか。
なんて風雅なのでしょー
 
 
独吟「江口」梅若桜雪さん。
切戸口を通り抜けられるのに、非常に難儀しておられました。
身体を屈めるのがお辛そうで。
 
両脇から馬野正基さん&山崎正道さんに支えられてのご入場。
そして、椅子が運びこまれ、椅子の背後から他の方が支えて、なんとか座っておられる、というご様子。
 
舞囃子「恋重荷」
笛が藤田貴寛さん、
小鼓が大倉源次郎さん、
大鼓が亀井忠雄さん、
太鼓が小寺眞佐人さん、 
地頭が桜雪さん。
 
桜雪さんが切戸口から退出なさるのは、入場の時より更に大変そうで。
そうまでして切戸口から出入する事を厳守なさるものなのですねー
 
ちょうど自分も腰を痛めていて前傾姿勢が辛いだけに、他人事とは思えず。
畏れ多くも人間国宝さまに連帯感を感じてしまいました。
 
このあとの「融」は、諸事情で観ること叶わず。
 
事前講座で披露くださった直衣をお召になったお姿を拝見したかったのに。。。
無念です。
でも後日、アップしてくださたお写真を嬉しく拝見しました。
 
来年は同会の開催は無いそうなのですが、再来週を楽しみに待ちたいと思います。