7月31日、藝大の「奏楽堂」なるホールへ。
「翁」
翁が武田孝史さん、
三番叟が萬斎さん、
千歳が田崎甫さん、
面箱が裕基くん。
後見は、宝生宗家&水上優さん。
三番叟後見は、石田さん&飯田くん。
大鼓が柿原弘和さん、
小鼓頭取が曽和正博さん、
脇鼓が飯田清一さん&曽和伊喜夫さん、
笛が藤田貴寛さん。
地謡はフェイスシールドを付けて、4人2列で橋懸にズラリ、と。
鏡板の松は、墨の濃淡のみで描かれていました。
本舞台と見所の間には、5列の無人の椅子が整然と並び、広い白洲のよう。
萬斎さんは、若松&鶴亀が配された常磐色の直垂に、紅ベースの格子の縞熨斗目。
鈴之段が進むうちに、本舞台にまんまんと水が満ちてゆく気配が。
萬斎さんの直垂の若松は、ゆらめく水草に見えてくる。
面替でお顔をクルリと回しつつ、クイッと顎を上げる所は、
水中で旋回しつつ、スイーッと水面に浮上してゆく風情。
萬斎さんがおられる本舞台に水がひたひた流れてるように見えることは前にもあったけど、
以前は水深としては足湯くらい。
今回の水深は、そんなもんじゃなかった。
本舞台ぜんたいが巨体水槽みたいな感じ。
真夏に踏まれる三番叟は、昔なら雨乞いの意図も、あったのかしら?
だとしたら、昔の人も、この日の私みたいに、豊潤な水を目の当たりにして、
うわーっ
みず、みず、みず水だ水だー
ありがたや~
と、三番叟さまを拝んでしまったことでしょう。