萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「銕仙会 9月定期公演」を観る

9月13日、観世能楽く堂へ、「銕仙会 9月定期公演」を観に行ってきました。
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「龍田 移神楽」
巫女&龍田明神が清水寛二さん、
旅僧が御厨誠吾さん、
従僧が則久英志さん&渡部葵さん、
里人が深田さん、
笛が八反田智子さん、
小鼓が林吉兵衛さん、
大鼓が大倉慶乃助さん、
太鼓が林雄一郎さん。
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前シテは、立涌文様の紺碧色地に色とりどりの紅葉を散らした縫箔。
立涌を龍田川に見立てたコーデに、目を奪われました。
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縫箔の上の方は暈しで白くなっていて、まさに薄氷が張ったよう。
この曲のために誂えにられたかのような装束!
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後シテは、紅葉の天冠、紅葉の鬘帯、紅葉の扇、半切は波頭に紅葉、と、これでもかの紅葉尽くし。
どっちも美しかったけど、特に前シテの抑制されたコーデがすてきでした。
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「菊の花」
太郎冠者が萬斎さん、
主が高野さん、
後見が内藤くん。
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萬斎さんは、榛色地に桔梗の群生の肩衣、代わり市の枯色の狂言袴田、女郎花色の格子の縞熨斗目。縞熨斗目の裾は苔色の暈し。
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エアーの菊の花を髪に挿した無造作ヘアが、なんとも自由で解放感があります。
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そういえば、のぼう様も髪に花を挿しておられたような。
萬斎さんが、「菊の花」から着想されてアイデア出しされた、なーんて可能性もあるかも。
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「鼻の先をついっ」とお料理が通り過ぎていってしまう、のくだりが、楽しかった!
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ほぼ萬斎さんの一人語り、という極上の時間でした。
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「恋重荷」
山科荘司&荘司ノ亡霊が片山九郎右衛門さん、
女御が北浪貴裕さん、
臣下が福王和幸さん、
下人が裕基くん、
笛が藤田貴寛さん、
小鼓が観世新九郎さん、
大鼓が原岡一之さん、
太鼓が三島元太郎さん。
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後シテが、杖を捨てる場面がオソロシク。
捨てる、というよりも、ブン投げる、という感じで、怒りマミレのようで。
ほんとに恨みが消えたのか、極めてグレーな気がします。
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そして、裕基くんが素晴らしかった!
間の取り方とか、声色の変化とか。
万作家では、ここぞ、のアイの時に雲丹ちっく模様の長裃が登場する(と私は思っている)のですが、まさに雲丹に恥じないアイ、ありがとうございます!
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あまりの素晴らしいアイに聞き惚れていたら、
いや、今のは某の独り言、と。
いやいやいや、独り言にしては最高すぎます。
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