8月15日、寒川神社へ、「第55回相模薪能」を観に行ってきました。
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半能「春日龍神 龍女之舞」
龍神が観世喜正さん、
龍女が中森健之介さん、
明恵上人が殿田謙吉さん、
従僧が渡部葵さん。
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大鼓が國川純さん、
小鼓が鵜澤洋太郎さん、
太鼓が小寺真佐人さん、
笛が一噌隆之さん。
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番組表によると、龍女が登場するのは、「龍女之舞」の小書つきの場合のみのよう。
更に、この小書がつくと、龍神は白頭になり、龍戴が大龍戴になるのだそうです。
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衣紋づけの白の袷狩衣に、金茶の半切。
どっちにも金糸がふんだんに使わていて、これまた金色の大龍戴と共に篝火に煌めきます。
キラキラどころか、時にはピカッと。
これがめちゃくちゃカッコいい!
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能楽堂内でも何かの曲で大龍戴は目にした事があったけど、薪能でこそ威力を最大限に発揮するアイテムなのですね。
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狂言「 張蛸」
果報者が萬斎さん、
太郎冠者が中村くん、
すっぱが深田さん、
後見が月崎さん。
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果報者サマは、墨紺の無地と退紅色の向鶴菱模様が松皮菱切替になった素襖裃に、朱色の段熨斗目。
このコーデ、万作家の素襖裃の中で一番好きです!
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端正な佇まいに、ふと打ち水に行き合ったかのような清涼感を覚えました。
この日はこれまで拝見してきた薪能の中で、ダントツ過酷な暑さだったのですが。
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この曲は「末広かり」とよく似た展開なのですが、何故か殆どかからない曲で。
以前に野村又三郎さんご一門に萬斎さんが客演する形で一度観たきりだった曲です。
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今回はこの薪能がスタートして55回目の節目とのことで、萬斎さんがセレクトされたのだとか。
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タコのイボの代用として、すっぱが太鼓の鋲をプレゼンするくだりが楽しかったです。
で、それを受け売りする太郎冠者を眺める果報者サマが、忌々しげのが可愛いらしい。
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能「葵上」
六条御息所ノ生霊が中森貫太センセ、
巫女が石井寛人さん、
横川小聖が殿田謙吉さん、
臣下が則久英志さん、
下人が金澤桂舟くん。
囃子方は、半能と同メンバ。
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前場の地謡は、フツフツこぽこぽ、と何かが沸き立ってくるよう。
血が騒ぐって、こんな時に使うワードなのかも。
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後場は、頂上決戦の試合を見守るような緊張感。
今回のお席は中正面20列目くらいで、ちょうど見所全域の真ん中辺りだったのですが、見所が固唾を飲んで見守っている気配がヒシヒシと伝わってきました。
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「葵上」を観たのは数年ぶりだったけど、やっぱり面白い。
初めてお能を観る友達を誘うなら、この曲がベストな気がします。
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今回の薪能は暑さとの闘いでしたが、観終わった後は長い修行を終えたような、謎の達成感がありました。
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