萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

国立能楽堂開場40周年記念の「収蔵資料名品展」のギャラリートーク(2回目)を聴講する

2月3日、国立能楽堂開場40周年記念の「収蔵資料名品展」のギャラリートーク(2回目)を聴講してきました。
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雪持椿の厚板の由来が面白かったです。
雪持椿は、宝生流道成寺の決まり柄で、元々は宝生流の物だったのが、流儀存続にかかわる資金難の際に、宝生九郎から梅若六郎の手に渡り、その後、国立能楽堂がゲットしたのだとか。
装束を守り継ぐリレーに、深い想いを感じます。
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もう1つ印象に残ったのが、昔の縫箔と、その復元版が並べてあるコーナーでの、復元過程のお話。
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縫箔は御簾に牡丹の柄で、御簾の縁エリアに銀箔、竹エリアに金箔が付けられていたのですが、御簾の右下の極一部だけ、銀の摺箔が使われていたそうで。
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で、それは製作ミスなのか、故意に箔の色を変えたのか、という検討過程をお聞かせくださり、まるで推理小説のよう。
で、製作ミスという結論に至り、復刻版は、竹エリアは全て金箔とされたのだそうです。
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他にも興味深いお話が盛りだくさん。
それが、学術的な知識を伝えるというより、展示物たちへの膨大な愛着の一端が漏れこぼれてしまう、いう風。
ある分野に徹底的に精通されているっていうのは、かっこいいなぁ、と思いました。
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次回(3回目)のギャラリートークは、3月15日、16時〜だそうです。
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