萬斎さん観賞と日本画修得の日々

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トークイベント付き「能 狂言『鬼滅の刃』」展に行く

10/2は、横浜能楽堂で、トークイベント付き「能 狂言鬼滅の刃』」展を聴講してきました。

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まずは、萬斎さんがお一人で、今回の作品全編を通しての解説というか、演出の思いを語ってくださり。
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観客が理解できるよう、どこまで歩み寄るのか、という匙加減など、繊細に検討されたご苦労が伝わってきました。
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そのあとは、萬斎さんがホストとなって、ゲストを迎える趣向。
最初のゲストは文蔵さま。
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新作能へのお考えを問われ、
「どこまで破壊しないで破れるか」を考えている、と。
禅問答のようなお言葉!
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後半は、裕一くん&裕基くん&太一郎くんがゲスト。
お三方の関係性が、作品内の関係性にリンクするかのようで、微笑ましかったです。
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あと、面白かったのが、萬斎さんと裕基くんの師弟関係。
萬斎さんのリクエストに応じて、色んな面を取り出す役目を裕基くんが担当してたのですが、
はがね塚さん、というリクエストに対して鱗瀧さんの面の袋を手にした途端に、萬斎センセイから間髪入れず、ダメ出し。
天狗の面は鼻のフォルム的に、袋の形状で分かるみたいで。
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その時の裕基くんは、うわっ
また地雷ふんじまった、という表情をしつつ、落ち着いて速やかにはがね塚さんの面を出しておられ。
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それが、地雷にびびってる、という風ではなく、地雷なれしてる感があって。
一言の言い訳もしないところが、ある意味、裕基くんの方が大人とも言えます。
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よい場面をみせていただき、ニマニマでした。
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そして、禰󠄀豆子ちゃんの面は創作面ではなく、裕一くんが初めてご自分専用に作った「若女」に竹を組合せたのだとのお話も。
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今回のトークを通じて、演出の萬斎さんお一人だけでなく、文蔵さまも、裕一くん&裕基くん&太一郎くん、
そして、広忠さんを初めてお囃子の方々を巻き込んで、真剣に、かつワクワクしつつ、試行錯誤して作り上げた作品なんだなぁ、と実感しました。
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観阿弥世阿弥が能を作っていた時代は、一座の中に囃子方狂言担当も抱えていた、と何かで読んだ事がありますが、世阿弥たちも、まさにこんな風にして能を作っていったのかも。
今回の関係性の皆さまが、600年後、観阿弥世阿弥一座と同じように、語り継がれていますように。
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写真は、同時開催の展示コーナーの鬼舞辻無惨さまコーデ。ここだけは撮影okでした。
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