萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「よこすか能 観世喜正プロデュース 蝋燭能 鷹姫」を観る

11/9、よこすか芸術劇場へ。

最初に喜正さんによる解説。
「鷹姫」新作能の範疇なんだけど、もはや古典と呼んでもよいくらいに繰り返し上演されてきた、とのこと。

当初、萬斎さんに空賦麟をお願いしたところ、「王子の役なので、もっと若い方がやった方がいいんじゃないか?」とご返答されたそうで。

そこを何とかお願いしてのキャスティングだったのだとか。
もーぉ 萬斎さんてば何を仰るのやら。
私は、まだまだ空賦麟を観足りていないのに。
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狂言「梟山伏」。
山伏が萬斎さん、兄が淡朗くん、弟が飯田くん、後見は裕基くん。

裕基くんがこのあとなさるコロスのお役は直面ではないので、お顔が見れて嬉しい。

山伏サマは、ペパーミントグリーン&ブラックの大きめ格子の水衣。
「ほー ほーぉ」に驚いてスッテンとひっくり返る姿がうつくしい。
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蝋燭能「鷹姫」。
鷹姫は大槻文蔵さん、老人は喜正さん、空賦麟が萬斎さん、囃子方は広忠さん&成田達志さん&竹市学さん&林雄一郎さん。

コロス(岩)は、山崎正道さん&山井綱雄さん&鈴木啓吾さん&坂真太郎さん深田さん&中村くん&太一郎さん&裕基くん。
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裕基くんのソロのパートもあって、ジーン・・・
狂言をなさる時より、低音ヴォイスです!
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空賦麟の装束は、過去に何度か拝見した時とは違っていました。
万作家の装束のライナップにも該当しないような。
これは、もしや喜正さんチの装束なのか?
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で、帰宅してから喜正さんの写真集をチェックしたところ、ビンゴ!
半切は「恋重荷」の頁に、「紺地 檜垣唐草 半切」として掲載あり。
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フサフサ付きのアウターは「大般若」の頁に。
こちらは、「錦 孔雀 毛縁裲襠(けべりりょうとう)」と記載されていました。
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シテ方のお家元でお持ちの装束を萬斎さんがお召しなったんだー、と思うと何やら感慨深いです。
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ただ、空賦麟の厚板は、いずれのおうちの装束か特定できず。
乙女な色づかいの華やかな厚板でした。
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空賦麟が、若者の身体から老人に変移していく様に見入ってしまった。
いかにも老人な風にはなさらず、上体を極わずかに前傾させただけで、あ、変移した、と分からせちゃうって何ででしょう。
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喜正さんの老人は艶があって、すてきでした。岩に同化していくとこも良き。
この老人のお役を萬斎さんがなさるのも観てみたいなー
 
もしや、当初、空賦麟を辞退されたのは、他の役もやりたい、という意図ゆえ、だったのかしら。
そゆことならば、多いに今後に期待します!
鷹姫のお役も、是非に!!
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