萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「立春!能・狂言の世界」を観る

 



2月18日、やまと芸術文化ホールへ。

素謡「神歌」
翁が片山九郎右衛門さん、
千歳が安藤貴康さん。

地謡は、柴田稔さん&角当直隆さん&武田祥照さん&中森健之介さん。

狂言佐渡狐」
奏者が萬斎さん、
越後の百姓が飯田くん、
佐渡の百姓が内藤くん。
後見が高野さん。

萬斎さんは、鬱金色地に菊唐草模様の素襖裃、ブルーグレー&白&胡桃色の段熨斗目、白藍色の襟。

萬斎さんが賄賂を受け取るとき、扇で隠しつつ一瞬ヒタ、と停止され、このお姿が綺麗。
このまま見得を切ってくださるんじゃないか?と思っちゃう。

狐クイズに臨む内藤くんに、ジェスチャーで答えを知らせる萬斎さんに、つい肩入れしてしまう。
それを見せまいと阻む飯田くんの壁が高くて、萬斎さんが可憐に見えるからでしょうか。

そして、内藤くんの扮するお百姓がポンコツなことも手伝って、萬斎さんが気の毒になってしまい。
ほんとは飯田くんの方が被害者で、悪いのは、萬斎さん&内藤くんのはずなのに、チャーミングな萬斎さんの勝利でした!

仕舞「屋島」柴田稔さん
仕舞「羽衣 キリ」 中森貫太さん。


地謡が、谷本健吾さん&鵜澤光さん&小早川泰輝さん&小早川康充さん。

能「船弁慶 重キ前後之替」
静&知盛の怨霊が味方玄さん、
義経が安藤継之助くん、
弁慶が宝生欣哉さん、
従者が則久英志さん&宝生久哉くん、
船頭が中村くん。

笛が杉信太朗さん、
小鼓が飯田清一さん、
大鼓が亀井広忠さん!
太鼓が小寺真佐人さん。

地謡が、片山九郎右衛門さん&中森貫太さん、角当直隆さん& 谷本健吾さん& 武田祥照さん&小早川泰輝さん& 中森健之介さん&小早川康充さん。

いろんなお家の方々が大集合した地謡編成でした。
それでも出来ちゃうってすごい。

静の唐織は、花や蝶などのオーソドックスなモチーフながら、何やら個性的なテイスト。
アンリ・ルソーのような味わい。
単に美しいというんでは済まされない、ちょっと引っかかりのある感じです。

これは、味方玄さんの好みというより、静の人となりを写しているのかな、と考えると興味深いです。

知盛は、テールグリーンに波飛沫の半切、白練の丸紋、金糸の地紋に丸紋の狩衣。丸紋オン丸紋が新鮮でした。

そして今回、私が1番きゃーっとなったのは、時化の場面。
海の荒れが激しくなってくると、
もーぉ広忠さんからの気迫が!炸裂で!!
私はマスクの下で笑ってしまう。

とってもシリアスな、手に汗握る場面ながら、臨場感にゾクゾクッとさせられる感覚が嬉しくて、狂喜の笑みとなったのでした。