萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「新春 萬斎の芸能玉手箱」を観る

1月28日、石川県立音楽堂 邦楽ホールへ。

素囃子「春の寿」
笛が田中傳十郎さん、
小鼓が田中傳左衛門さん、
大鼓が亀井広忠さん!
太鼓が田中傳次郎さん。

舞踊「長唄 七福神
立方が市川猿之助さん。

唄が、
今藤政貴さん、
杵屋和三朗さん、
杵屋勝英治さん。

三味線が、
今藤長龍郎さん、
今藤龍市郎さん、
今藤龍十郎さん。

笛が田中傳十郎さん、
小鼓が田中傳左衛門さん、
大鼓が田中傳吉さん、
太鼓が田中傳次郎さん。
 
狂言「福の神」
福の神が万作さん、
参詣人が裕基くん&中村くん。

地謡が、深田さん&太一郎くん&内藤くん。
後見が月崎さん。

トーク「萬斎 X 猿之助

三響會版「二人三番叟」
振付が藤間勘十郎さん。
三番叟が萬斎さん&猿之助さん。

唄が、
今藤政貴さん、
杵屋和三朗さん、
杵屋勝英治さん。

三味線が、
今藤長龍郎さん、
今藤龍市郎さん、
今藤龍十郎さん。

笛が、
松田弘之さん、
田中傳十郎さん。
小鼓が、
田中傳左衛門さん、
田中傳次郎さん。
大鼓が広忠さん!

お笛のお二人のうち、松田弘之さんは萬斎さんver.時に、
田中傳十郎さんは猿之助さんver.時にお吹きになりました。

袴の三番叟でした!
萬斎さんの三番叟に、削ぎ落とされた美しさを感じました。

装束は勿論なんだけど、所作においてもシンプルな簡潔さを強く感じました。
と言ってもアッサリ薄味にするんじゃなくて、刃の切先のようにキリリと研ぎ澄まされた簡潔さ。

いや前々からそう感じてはいたんですけど、猿之助さんとの対比で、より顕著になった気がします。

一方、猿之助さんは猿之助さんで、これまたベクトルの異なる魅力バクハツ。
猿之助さんてば、とても色気のあるお方!

花戦や、鎌倉殿の13人などを拝見した時に、何故この色気に気付かなかったのでしょうか。
その時は、演じられる役の人物になりきっていたから?

猿之助さんご本人として舞われた今回の方こそが、真の猿之助さんだったのかも。

猿之助さんに夢中になってしまう知人の気持ち、よく分かりました。

そして、「福の神」の参詣人が豆を撒く所作がきれい。
写実的にせずに、枡から手に取って放つまでを抑制した腕の動きだけでなさり。


更に特筆すべきは、全ての演目の間に萬斎さんがご登壇!
なんとゆー大サービス。

舞台の組替えのために幕を一時的に下ろしている時間つなぎという意図もあるのかもしれませんが、
各演目の解説もしてくださり、1つ1つの演目を楽しんで貰いたい、という誠実さが感じられます。

その幕間トークで萬斎さんから教わったワードの1つは、「無謡(むよう)の一調」。
謡なしの一調の事を、このように称するのだそうです。

もしや玉手箱シリーズは、今後も同様に、幕間トーク付きという趣向なのでしょうか。
どんどん遠征したくなってしまいます!