萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第102回 野村狂言座」を観る

4月6日、宝生能楽堂へ。

石田さんによる解説

小舞
「貝尽し」岡さん
「八島 後」飯田くん
地謡は、
深田さん&中村くん&福田成生さん&内藤くん。

狂言「粟田口」
大名が万作さん、
太郎冠者が高野さん、
すっぱが萬斎さん、
後見が岡さん。

そのすっぱは、特別なオーラを纏っていました。
人ならぬ存在であるかのような佇まい。

演目解説を予習した時は、
蚊相撲のようなリクルートものや、咲嘩のようなオレオレ詐欺ものと似ていたので、
フムフムあのパターンね、と油断していたら!

 

太郎冠者に伴われて大名宅に着き、門の前(橋掛り)で待機している時は、

ふっふっふっ
愚かな人間どもを、どうやってイタブろうかねー
、とでもいいたげな不敵さがあり、
麗しきメフィストフェレス、といった趣き。

ニの松の傍らでエネルギーを帯電させているようにも見え、長めの髪が逆立っているような錯覚を誘います。

先日のラジオで萬斎さんが、この曲は年齢ならいの曲、と仰っていたけど、
このメフィストフェレス感を出せるかどうかが、その所以なのでしょうか。

極上の短編映画のような演目でした!


狂言「吹取」
婚活中の男が内藤くん、
何某が深田さん、
女が中村くん、
後見が飯田くん。

女が被っていた布が取り外されると見目麗しくないビジュアルが露わになる、という設定のはずが、
どうにも可愛らしい女子に見えてしまい。


二人の男性が、彼女を拒否するという展開に説得力がなく。。。

でも、内藤くんの明るいキャラが、不思議に婚活くんにマッチしてました。


素囃子「盤渉楽」
大鼓が亀井洋佑さん、
小鼓が田邊恭資さん、
太鼓が林雄一郎さん、
笛が竹市学さん。

囃子方がそのまま舞台に残られ、狂言「越後聟」。

聟が裕基くん、
舅が石田さん、
太郎冠者が月崎さん、
勾当が太一郎くん。

地謡が、萬斎さんを地頭に、
高野さん&内藤くん&岡さん&飯田くん。

後見が深田さん&中村くん。

裕基くんのキレ味に、ただ、ただ、目を見張っておりました。
ハムレットを駆け抜けた自信が、裕基くんをいっそう美しくて光り輝かせているのかもしれません。

この演目、また観たい。
萬斎さんが勾当っていうパターンも素敵だと思います!!