萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「国立能楽堂 狂言の会」を観る

12月23日、 国立能楽堂へ。

「◎千利休生誕五百年」と銘打たれた会で、お茶に因んだ演目づくし。

まず、大蔵流の「御茶の水」。

「御茶の水」と「水汲」はタイトル違いの同じ曲と、何かで目にした事があったのですが、ぜんぜん違ってました。

過去に観た万作家の「水汲」では、いちゃの心中は明らかにされませんが、今回観た「御茶の水」では、新発意への好意があからさまで。

万作家の「水汲」は、
演じる人によって、周到に隠されていた思いが、仄かに出てしまったり、しまわなかったり、と、ギリギリの所を攻めていて、ストイックに感じられます。

残りのよそのお家の同曲はどんななのか、観てみたくなりました。


2曲目も大蔵流で、「禰宜山伏」。
山伏が、「鎌倉殿の13人」の猿之助さん演ずる文覚に似ていました。
そして、文覚といえば、明恵上人を育てた人。
明恵上人といえば、お茶の栽培を栂尾で始めて宇治にまで広めた人。
おお!
お茶つながりの連鎖!!

ラストは「煎物」。

煎物売が萬斎さん、
何某が裕基くん、
太郎冠者が高野さん、
立衆が、
深田さん&内藤くん&中村くん&飯田くん&岡さん。

笛が小野寺竜一さん、
小鼓が田邊恭資さん、
大鼓が原岡一之さん、
太鼓が小寺真佐人さん。

水、ブッカケていただきました!
それを期待して、脇正面のお席を取っていたので、大満足です。

そのブッカケ主なる煎物売サマは、紅い覆面(?)をつけ、竿を担いで登場されました。
竿の両端に、カラーボックスサイズの棚。
棚は、アフタヌーンティースタンドのようでもあり、繊細な味わい。

棚も担い手も、エキゾチックな美しさ。


そして、裕基くんの白鷺の扮装が神々しかったです。
お祭りにこんな姿で現れてパフォーマンスとかされたら、アイドルとして崇めてしまいそう。


この日の裕基くんは、最初に素襖裃で現れた時からオーラが違う。
このあと鷺になる、という意識が醸し出すオーラなのでしょうか。

ラストの裕基くんの水車が圧巻!
それを真似た煎物売サマの水車モドキも、カッコ良すぎました。
モドキというには勿体ないほど、超絶キレキレ回転で。
これはこれで、新しい別の技といえるのではないでしょうか。

萬斎さん納めのよき日となりました。