萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「夏のめぐろ狂言」を観る

8月28日、めぐろパーシモンホールへ。

深田さんによる解説。
宗論の中で交わされる論争の中身を詳しく話してくださり、ありがたや。

佐渡狐」 
佐渡の百姓が裕基くん、
越後百姓が内藤くん、
奏者が石田さん、
後見が飯田くん。

ついムキになって嘘をついてしまう裕基くんは、浅はかなトコも、
賄賂を相手に受け取らせる手腕の鮮やかさも、ぜーんぶ魅力的。

何をやっても上手く立ち回ってスイスイ生きてきたのさ、という軽薄な感じがヨイ。

悪いオトコになれる素質マンテンです。
いつか裕基くんにも、お父様の当たり役の「藪原検校」をやっていただきたくなりました。

「鬼瓦」
大名が万作さん、
太郎冠者が、太一郎くん、
後見が月崎さん。

万作さんのコーデが美しい。
薄納戸色の地に様々な形の扇が配された素襖裃、ブルーグレー&胡桃色&白の段熨斗目。
御髪のシルバーグレーとの色の響きあいが綺麗で、何よりフォルムに気品があります。

この大名は、気品がトクベツ重要な気がします。
建築に関する造詣も深く、気品もある人が・・・というギャップが、この大名の可愛いさの肝なんだなぁと思いました。

「宗論」
浄土僧が萬斎さん、
法華僧が中村くん、
宿屋が高野さん、
後見が岡さん。

中村くんにチョッカイを出す萬斎さんがイキイキしてる。
健やかなのは、悦ばしいことです。
チョッカイのネタを見つけて嬉しがるって、健康があり余ってなくちゃ出来ないですもん。

宗派の違いっていうのは、そんなに深刻ことでは無かったのでしょうか。
贔屓の野球チームが違う、くらいの感覚だったのかしら。

昼間の「呼声」に続いて、萬斎さんと中村くんが多いに盛り上がっていき。
それにつれて、会場のボルテージもどんどん上昇していく感覚にワックワクしました。久しぶりに観た曲でしたが、萬斎さんの為にあるような曲!と、再認識しました。

同行した友人がいう事には、宗論を、歌舞伎の「連獅子」の間狂言として観たことがある、と。
知らなかったー

来年の同会は、「秋のめぐろ狂言」と名前がプチ変更されて9月3日、18:00開演、
「咲嘩」(万作さん) &「柿山伏」(裕基くん) &「千切木」(萬斎さん) とのことです。