萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第9回 狂言 やっとな会」を観る

7月25日、宝生能楽堂へ。

いきなり前置きもなく、ショートコントらしきものがスタート。
蚊相撲」のワンシーンだな、ということは直ぐに気付くも、
頭のなかで、?????がぐるぐる。

このあとに深田さんが解説でお話しさることには、
実は、「やっとな」というセリフが出てくる狂言のワンシーンを冒頭にちょっと演じるのが、こちらの会では恒例なのだ、と。

なんて楽しい企画!
オープニングの掴みも、ばっちりですねー


小舞「蝉」 萬斎さん。

地謡は、深田さんを地頭に、
月崎さん&内藤大助くん&遼太くん&飯田くん。

萬斎さんは、藍白色の色無地に袴。す・ず・や・か~!
岩清水かラムネソーダか、という究極の清涼感!!

高速旋回なさると、袂がシャーッと水平に開いて、まさに蝉の羽のよう。

ありがとう、この演目を作った昔のヒト。
ありがとう遠心力。


狂言「蝸牛」
太郎冠者が万作さん、
主が石田さん、
山伏が中村くん。

先入観なく相手の発言を実行しようとすると、山伏がカタツムリに変換されてしまう、という、発想の斬新よ。

現代に置き換えて考えてみると、
ロボットに同じ命令をしたら、
やはり人間を連れて来ちゃうのかも。

これは、インプットした主に責があるんじゃないでしょうか?

私の後方の席の男性達から、何度も楽しげな笑い声が。
万作さん達が幕に入られた後、彼らからは、
「太郎冠者は萌えキャラ」というワードが。

おお!
確かに~


素囃子「神舞」
笛が栗林祐輔さん、
小鼓が 鳥山直也さん、
大鼓が大倉慶乃助さん、
太鼓が林雄一郎さん。


狂言「博奕十王」
博奕が深田さん、
閻魔大王が萬斎さん、
前鬼が内藤くん、
後鬼が飯田くん、
鬼が淡朗くん&岡さん、
鉄杖鬼が高野さん。

地謡は、石田さんを地頭に、
太一郎くん&中村くん&裕基くん。

萬斎さんは、面を掛けておられても、まごうことなき萬斎さんでした。

手の表情の美しさも、
初めて知った"バクチ"なる遊びにに夢中になるチャーミングさも。

萬斎さんの大暴走っぷりに、
そこはゼッタイ「1」以外でしょ!
とツッコミたくなっちゃうんだけど、
ここで活躍したのが高野さん。

高野さんは、私たち観客の声を代弁してツッコんでくれる、キーパーソンだったのでした。

楽しかったーー

深田さんのサービス精神が随所に溢れていて、お人柄が感じられる素敵な会でした。