8月27日、宝生能楽堂へ。
久々の萬斎さんの解説!
ありがたや~
絽の黒紋付に、榛色の袴のお姿が端正です。
長めの前髪を横にかき流される所作に、見とれてしまう。
出てこられた時は、ちょっとテンションが低めでしたが、
それはそれで、仕事終わりの週末の夜にしっくり馴染み、じわじわ癒されました。
小舞。
裕基くんの「柳の下」、
淡朗くんの「掛川」。
地謡は、中村くん&太一郎くん&内藤くん&飯田くん。
裕基くんのお声、うつくしー
深く低~い音色。
そして、所作ひとつひとつに華があります。
かつ、しなやかなのに強靭で、カッコいい!
「以呂波」
親が茂山忠三郎さん、
子が茂山良倫(よしみち)くん。
かーわいーい!
7歳ですって。
リアル親子で、親子のお役。
「櫓」には「櫂」がペアになっていなちゃ、という発想が面白い。
しかも、「櫂」と口にしただけで、ペア化が成就したかのような感覚も楽しい。
昔は、いまよりも言葉そのものの重みがあったのだなー、と感じさせられました。
「狐塚」
太郎冠者が月崎さん、
主が岡さん、
次郎丸冠者が竹山さん、
後見が飯田くん。
月崎さんが、イキイキしてる。
太郎冠者に酷い目に遭わされた主と次郎冠者は、仕返しをするんだけど、
これが子供じみた仕返しで。
(褒めてます)
あまりのことに、
え?と呆気に取られてしまう。
(はい、褒めてます)
ところどころ秋の風情が漂って、いい感じの演目なのに、敢えて崩す、という、そういうトコ、狂言のミリョクですよねー
「貰聟」
舅が石田幸雄さん、
妻が中村くん、
夫が高野さん、
後見が内藤くん。
前場は、夫がめちゃくちゃ横暴なんだけど、
後場になったら、
それを凌ぐ横暴なヒトが。
なんと舅は、夫に輪をかけて横暴で偏窟なのでした。
この舅のキャラ設定、斬新な素敵です。
「禰宜山伏」
山伏が萬斎さん、
禰宜が万作さん、
茶屋が深田さん、
大黒天が三藤なつ葉ちゃん、
後見が太一郎くん。
山伏サマは、黒に近い水衣に、象牙色の狂言袴の括り袴。
この涼感、なんなんでしょ。
サッと霧混じりの風が吹き込んできたかのよう。
黒おおめな色調なのに、まったく暑苦しくなくて、
打ち水された黒曜石のタイルのような煌めき、とでもいいましょうか。
山伏さまが、「ネギめがっ」と憎々しげに吠えると、可愛いさ満点。
禰宜が浮いて足拍子を取り始めると、それに呼応して大黒ちゃんも浮き出す。
愛らしいったらありません!
演じてるなつ葉ちゃんご本人も、楽しそう。
対峙する万作さんも楽しそうに見える~
それがこちらにまで伝染してきて、私は二ヘラ~ってなってました。
次回の野村狂言座にも、なつ葉ちゃんご出演の模様。
次回の野村狂言座の翌日には、靭猿があるようです。
なつ葉ちゃんてば、幼くして3連チャンだなんて、さすが万作さんのお孫さんですねー