11月7日、国立能楽堂へ。
まるで、極上のお能の会に行ってきたかのような余韻に浸っています。
囃子方のお顔ぶれといい、
能がかりの「法師ヶ母」といい。
更に、「茸」は切能のような趣き。
山伏さまの装束が半切だったのも、お能テイストを増強していたように思います。
番組の2番目に「棒縛」を配したのも、狂言の王道ともいえる曲を真ん中に持ってくることで、
その前後の演目は、お能という位置付けにしてみよう、という意図にも感じられます。
これって、万作さんが仕組まれた作戦?
だとしたら、まんまと私は作戦にはまって嬉々としております!
素囃子「盤渉楽」
大鼓が國川純さん、小鼓が鵜澤洋太郎さん、笛が藤田次郎さん。
狂言「法師ヶ母」
夫が万作さん、妻が中村くん。
地謡は、萬斎さんを地頭に、高野さん&内藤くん&裕基くん&飯田くん。
囃子方は、先ほどの素囃子メンバ。
後見が深田さん。
前場は、貰聟ちっくなコミカルな展開なんだけど、
後場になると、囃子方と地謡が出てきて、一気にお能の風情に。
後シテの万作さんは、掛素襖を片脱ぎにされ、気品ただようお姿。
そして、地謡がとーってもカッコイイ。
こういう演目、いいですねー
狂言「棒縛」
太郎冠者が遼太くん、次郎冠者が淡朗くん、主が飯田くん、
後見が高野さん。
遼太くんが、若かりし頃の万作さんにソックリ。
酒宴で謡うお声も素敵でした。
狂言「茸」
山伏が萬斎さん、何某が石田幸雄さん。
茸が裕基くん&中村くん&内藤くん&飯田くん&竹山さん&岡さん&月崎さん&淡朗くん。
鬼茸が太一郎くん、
後見が遼太くん。
いままで観た「茸」のなかで、最も格調高い「茸」でした。
山伏さま&何某の格式ある佇まいに加え、
ナンバー3までのキノコにキレッキレ要員を配備することは、非常に重要なことだったのですねー
1番手のキノコ(黒色袴)は裕基くん。
2番手&3番手のキノコ(テールグリーン袴&紺色袴)は、中村くん&内藤くん。
動と静のメリハリが効いていて、ピタリと静止したときの姿が美しい。
裕基くんは姫茸でも光るけど、一番手のキノコのほうが、より光ります!
そして、極限まで鍛練を積まれてきた、仕上がりに仕上がってる中村くん&内藤くんコンビの投入も大正解だったんじゃないでしょうか。