萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

「現代の匠たち 藝能と工藝の饗宴2022 茶の湯と匠の文化」を観る

9月24日、観世能楽堂へ。

1.基調講演
千宗屋さん
(この講演の時から、シンポジウムのメンバも登壇されていて、講演を聴講なさいました。)

今年は、千利休生誕から500年にあたるのだとか。

萬斎さんは、見所をキョロキョロしたり、とフリーダム。

2.シンポジウム
千宗屋さん
室瀬和美さん(漆芸家)
萬斎さん
聞き手(進行役)は近藤誠一さん

近藤さんから振られた方が話をする、というスタイル。

萬斎さんは、利休が出てくる映画に出演した事があるんですよー、という話から始まり、
基調講演の中にでてきた話題や、他の登壇者のコメントにもリンクさせたりしつつ、落ち着いたトーンの語り口。

あんなにキョロキョロなさってても、講演はちゃんと聴いてらしたのですね。

4人の方々みなさま和装でした。
萬斎さんは黒紋袴で、安定の麗しさ。

3.仕舞「頼政
大槻文蔵さま
後見は大槻裕一くん。

文蔵さまの紋付の鈍色に、豊かな深みが感じられました。

この次の演目「通円」は、「頼政」のパロディとして知られています。
この度の仕舞の選曲って、狂言の「通円」に合わせての事でしょうか。

だって、通円は今回のテーマに対して、ガッツリ「お茶」繋がりの演目だけど、頼政は、「通円」繋がりでセレクトされたと思われます。

何が嬉しいって、お能の会では、お能ありきで狂言の曲が決められる事が多そうなのに、これはその逆パターンと捉える事ができる点。

4.狂言「通円」
通円が万作さん、
僧が裕基くん、
所の者が遼太くん、
地謡は、萬斎さんを地頭に、
高野さん&中村くん&内藤くん&飯田くん。
後見は深田さん。

笛が栗林祐輔さん、
小鼓が大倉源次郎さん、
大鼓が柿原孝則さん。

萬斎さんのお声の響きに圧倒されました!
裕基くんの僧は、静謐な風情。ワキ方が本業ですか?というくらいにワキ方が板に付いてる。
前日の安宅のアドアイに続き、大役です。


「釣狐」の1週間前は、そんなに重たい役は割り振らないであげよう、とか、そういう配慮は、萬斎先生はいっさいなさらないのですね。

フルマラソン本命試合の直前であっても、ばんばん長距離マラソンの試合を組んでしまうコーチのよう。

萬斎さんは地頭をつとめられつつ、万作さんを熱心に目で追われていました。
狂言では、地謡が座る位置は囃子方の背後のため、萬斎さんと万作さんの間には、囃子方の壁が。

囃子方の死角に万作さんが入ってしまう場面では、萬斎さんは身体を横に傾けて死角を避けようとなさり。

最初は、万作さんのお身体を気遣って見守ったおられるのかな、とも思ったのですが、
1ファンとして片時も目を離したくない、という可能性の方が高い気も。

わかります、わかります、着流しの万作さんの所作って格別に美しいのですよねー

9/24夜からは、仕事に戻って、怒濤の7日間を過ごしました。
何度も、もー降参しようかな、という思いもよぎりましたが、降参しなかったのは、
この公演のエネルギーチャージのおかげです。

この7日間の工程が1日でも遅れると2ヶ月分の遅れが発生する、という瀬戸際を乗り切れました。
ありがとう萬斎さん!