本日午後の仕事が免除されたので、急きょ、日生劇場へ観劇に行ってきました。
コロナ対策のための免除じゃなくて、残業削減対策のためってトコが、うちの会社の苦しいところです。
さて、観たかった理由は、高橋一生さんが、リチャード三世とおぼしき役をなさる、と思われたので。
実は、秋にシアタートラムで貰ったチラシの束の中に、この公演のチラシを見つけ、
高橋一生さんの役が「醜い顔と身体、歪んだ心を持つ佐渡の三世次」と書かれていたのが、頭の隅に引っ掛かり続けており。
ふいに舞い降りた、このまっさらな時間を充てよう、と思い立った次第。
事前知識なしで、パンフも買わず、読まず、だったので、 実はリチャード三世じゃなかったりして・・・
と、一抹の不安もありましたが、大当り!
いや、大当りより更に上を行く、すばらしすぎる設定でした。
三世次(ミヨジと読むことも、観劇中に知りました)は、
リチャード三世と、
マクベスと、
杉の市がミックスされた人物だったのですーー
ワルモン好きの私には、これでもかっていうゴージャス設定。
するすると嘘八百が口から出てくチャラさ、いい!
私達が歩くのと同じくらいの自然さで、躊躇無なく、なめらかに嘘をつく。
なめらかに人を殺める。
ミヨジは足を引きずってので、ミヨジにとっての歩行は、なめらかに進むものではなかったんだけど。
なめらかな歩行の代わりに、嘘や殺人で穴埋めをしていたのでしょうか。
エネルギーをほとばしらせながら、高い目標に向かって真摯に突き進む姿は、純粋にも思えます。
あっけらかんと悪事を重ねていく悪いヤツなのに、なぜ私は入れ込んで、目標達成を応援したくなるのでしょうか。
高橋一生さんて、もともとの素養として闇を抱えてる風なとこがあるでしょ?(個人の勝手な思い込みです。)
なので、自分の悪事に対して苦悩したりしなくても、どんなにチャラチャラしてみせても、闇がちらつく。
その闇のわずかさ加減が、絶妙だったのかもしれません。
さて、カーテンコールの最後に、中央に立たれた高橋一生さんから、突然の発表が。
コロナウィルス蔓延の状況を踏まえて、今回の公演をもって最後とし、以降の公演が中止となる決定が、なされた、と。
そうだったのかー
では出演者の方々は、演じておられる時は、これで最後とご存知だったのですね。
どんなにか無念だったことでしょう。
また皆さまと再開できる日が来るための中止だと思っています、とのお言葉に、心が塞がれる思いでした。
いつの日にか、どうか再演されますように。