萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

主に萬斎さん公演メモ 2019年4月

●4/2、「ござる之座 59th 追加公演」
宝生能楽堂にて。

なんと「ござる」ではレアなことに、萬斎さんが解説を。20分も。

萬斎さんは「附子」では、太郎冠者を。
白地にグリーン&辛子色の格子の縞熨斗目、紺の襟、波&兎&月が配された紺色の肩衣、三日月紋の腰帯、薄煉瓦色の狂言袴。

そして「靱猿」。大名が萬斎さん、猿曳が万作さん、太郎冠者が高野さん、子猿がなつ葉ちゃん。

なつ葉ちゃんに骨抜きにされました。
今回は脇正面から観ましたが、脇から観ると、猿曳と子猿ちゃんのドラマが、いっそう強く感じられる気がします。

●4/2、「夜桜能第一夜」
とにかく寒かった。
寒さのおかげで桜が持ちこたえてくれたことを思えば、しかたないけど。

いつぞや、庭園美術館で「八島」を観た時と同じくらい寒かった。
でも、満開の桜の下での薪能は、不思議な高揚感があるのですよねー

萬斎さんは「棒縛」の太郎冠者。
桜の下で舞う萬斎さんの姿と謡は、格別のものがありました。

そして、裕基くんの主人、長裃の姿、所作ともに、うつくしい。
この少し前に、TVのバラエティ番組に裕基くんが出演され、この夜桜能に触れておられました。

で、主人の役の説明をされており、その時のスーツ姿の裕基くんが、リラックスしつつ、言葉遣いがきれいだったなー、という記憶があります。

狂言の構えにトライして苦しむ共演者たちに、「どうぞお楽になさってください」と、そんなセリフがすっと口に出る19歳。

その記憶とセットで、この夜桜能の主人の姿は、大切に記憶に刻みたいと思います。

●4/14「宝生会 月並能」
萬斎さんは「咲嘩」にご出演。

鳥の子色の地にブルーグレー&墨紺色の菖蒲の肩衣、若葉色の格子の縞熨斗目、ブルーグレーの襟、五三の桐の腰帯。

●4/19 「第86回 野村狂言座」
萬斎さんの「内沙汰」が絶品。
藤色の縫泊、薄藤色の八掛、橙色の襟、サーモンピンク色の帯。

烏帽子をつけた姿が倒錯的にうつくしい!
サコとの仲をウコから仄めかされた時の憤り様がエラク魅力的で。

めらり、と焔をがたつようでした。
シェイクスピアの「ヴェニスの商人」に出てくる男装の裁判官のポーシャみたい。

この日は狂言が4つもある盛りだくさんな番組でしたが、「おおっ」と思ったのが、太一郎くんの「田植」。

今までに拝見した太一郎くんのお役の中で、これ、ナンバーワンです。
太一郎くんの陽性の良さが際立ってました。

●4/28 「観世九皐会別会」
「安宅」。
萬斎さんはオモアイ。内藤くんがアドアイ。

オモアイ様は、紺&枇杷色の格子の厚板、金茶色の地に白のアラベスク風の紋入りの腰帯、紺に丸文の狂言袴の括り袴。

内藤くんも、萬斎さんに勝るとも劣らずカッコよかった。

万作さん&中村くんの「箕被」。
中村くんの女性役がどんどん良くなってきてる。

「朝夕の煙も立てかぬる身で」なーんて古風な表現もしっくり。
美男鬘からのぞく耳が紅い薔薇かのように見えました。

「石橋」がエネルギッシュで、楽しかった。前シテ(中森健之介くん)の面が美しかった。
アイの幕が萬斎さんのように見えたけど、見間違い?

●4/29、「第八回 長山桂諷會大会」
国立能楽堂

桂三センセのお社中会ですが、一般にも公開くださるとのことで、おじゃましました。

長山凜三くんが、「橋弁慶」に子方として、牛若丸のお役でご出演なさる、とうかがいまして。

囃子方は、亀井忠雄さん&大倉源次郎さん&藤田貴寛さん。

凜三くんは、笹リンドウ&七宝繋が配された段替の厚板白大口、五三の桐の腰帯、白い鉢巻。
リアルに、これくらいの年齢の牛若丸のお役!
弁慶が、この人に一生を捧げる、と決意したのも納得です。

●4/30 「yoiya2 会員限定企画 第十六弾 よいやよいや小舞の会
その4 〜平成を語ろう〜」

宝生能楽堂にて。

裕基くんと太一郎くんが出てらしたときは、見所がどよめき、アイドルが現れた!といった感じでした。

え!お二人だけでMCしてくださるのぉ?という嬉しい驚き。

裕基くんは「道明寺」の小舞を。
萬斎さんは「薬師」という小舞を。
心満たされる至福の時間でした。

みなさまのトークが、それぞれに個性が現れていて、万作の会への愛着が益々増した日となりした。

平成最後の日を、このような愛に満ちた日にしてくださった万作の会に、深くふかーく、感謝いたします。