萬斎さん観賞と日本画修得の日々

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「大槻能楽堂 創立九十周年記念公演 10月公演」を観る

10月27日、「大槻能楽堂 創立九十周年記念公演 10月公演」 を観に行ってきました。
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「粟田口」
大名が万作さん、
太郎冠者が太一郎くん、
すっぱが裕基くん、
後見が内藤くん。裃です。
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途中までは「末広かり」と似た展開ですが、こちらの演目は大名も太郎冠者と一緒に騙されてしまいます。
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なので太郎冠者は取り違えを叱咤されることもなく、
鷹揚な大名さまとの会話がほのぼのしていました。
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屋島 弓流 奈須與市語 語掛」
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漁翁&義経の霊が大槻文蔵さま、
漁夫が大槻裕一くん、
旅僧が福王知登さん、
従僧が喜多雅人さん&廣谷和夫さん、
屋島の浦人が萬斎さま、
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笛が竹市学さん、
小鼓が観世新九郎さん、
大鼓が広忠さん!
囃子方と後見は長裃。
広忠さんの長裃は薄鈍色。
地頭は観世喜正さん。
地謡は裃。
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「語掛(かたりかけ)」というのはワキ方の小書だそうで、狂言方に何かエピソードを聴かせてくれない?、と話を振る件を指しているようです。
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そんな事言ったら、他の演目のアイの語りも、基本的にはワキ方狂言方に話を振って始まりる気がしますが。
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萬斎さんが静かに橋掛に入ってこられ、そこに座を占めると、闇溜まりのような空間が。
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照明が暗くなったという訳ではないのに、何ものかを内包した淀みとでもいうような。
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前場では、文蔵さまと裕一くんが交互に歌うところが素敵でした。
戦いの臨場感もありつつ、でも格式があって。
で、その後に地謡とお囃子がグイーッと盛り上がるのが、カッコ良く。
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前場のおわりの謡は叙情的で、橋掛りにたゆたう闇溜まりと相まって、奈須への期待が高まります。
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萬斎さまは、縦長亀甲っぽい総柄の、濃紺色・鉄黒色の松皮菱切替の長裃に、濃色の段熨斗目。
全方位隙のない、ストイックなお姿。
奈須の後見は裕基くん。
裃〜
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すごい奈須でした!
場を支配する、とか、掌握する、というのは、こういう事を指すのでしょうね。
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私はちょうど見所の中央あたりのお席だったのですが、
見所じゅうの気配が放射線状に萬斎さまに集約されているのをまざまざと感じました。
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萬斎さまのお声も、所作も、耳に、目に焼き付いています。
全てがベストショット!とい叫びたくなる、厳粛な美しさでした。
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ありがとう萬斎さま、
ありがとう文蔵さま、
ありがとう広忠さん、
この公演の場に居合わせる事ができて、とても幸せです!!
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