萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第105回 野村狂言座」を観る

1月11日、銀座能楽堂へ「第105回 野村狂言座」を観に行ってきました。
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冒頭の解説は萬斎さん。
その際に萬斎さんから、
能登半島地震への募金の呼び掛けがありました。
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終演後にロビーでシーツ募金やります、と。
そして、定番の「できれば紙の方を」とのリクエストも。
「もちろん、ゼニでも良いですが」とのお言葉つき。
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萬斎さんが「ゼニ」と口にされても、品性が損なわれない不思議。
むしろ、黒紋付の端正なお姿とのギャップにトキメく。
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「野老」の解説の中で、東京オリンピックのエンブレムをデザインされたのが、野老さんというお名前でしたね、と。
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で、思い出したのですが、
8年ほど前、蕨市に萬斎さんの「岡太夫」を観に行った時にも、解説の際に同じようなお話がでてきたな、と。
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その時に、番組表には無い「野老」の謡を万作さんがサプライズ披露してくださった事があったような。
記憶が曖昧なので、途中からは私の妄想かもしれません。
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解説は18分。
定刻オーバーくださり、ありがとうございます。
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「筑紫奥」
年貢を納めにきたお百姓さん達から、あるモノを搾取する中間お代官さま。
それが、金品の搾取ではなく、笑いの搾取、というのが楽しい。
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「竹生嶋参」
主をなさった裕基くんの激昂が美!美!美!
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他の抜け参りモノと同じような始まり方なのですが、
太郎冠者の家に訪ねていって、シサリオロウ!と一括した姿が。
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長裃のフォルムも完璧で、歌舞伎や文楽だったら、見得の切りどころになりそうな。
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鬱金色の向鶴菱の長裃、女郎花色&グレー&胡桃色の段熨斗目、というコーデも綺麗。
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「無布施経」
万作さんが可愛い。
万作さんが襟元に隠していた袈裟がはみ出した瞬間に、全てが露呈してしまうんだけど、終わり方が優しい。
施主の人柄が全てをフォローしています。
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「野老 白頭」
小書つきです。
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ワキやアイが出てきて、お能のテイスト。
そして、シテの天冠には、山芋ドーン!
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橋掛りを進んでくる時は、面が白頭に隠れて見えないので、悲哀のオーラが勝ってて、ううむ、アレは山芋のようにも見えるが、まさかね。。。
と、まずは疑惑を生じさせる、と。
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で、本舞台に移動すると、空吹の面がアラワになり、真面目に冗談やってます、とアピールしてくれるので、山芋ギワクは、確定となる
・・・・という感じで、
見所を揺さぶってくるのが堪まりません。
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そして、何といっても、萬斎さんの佇まいと謡のお声が、圧倒的に美しい。
萬斎さんがシテ方にお生まれになっていても、やっぱり大スターになったのだろうなぁ、と思います。
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今回の解説を萬斎さんが務められる意図は、狂言で直面が拝めない私達へのお気遣いだったと思いますが、
奇しくも、シーツ募金の呼び掛け人としても最強ポテンシャルの人選となりました。
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ロビーの募金に立たれていたのは、
中村くん、
内藤くん、
フカタカこんび、
金澤桂舟くん、
福田成生さん。
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萬斎さまがリクエストなさった通り、紙をシーツに入れて来ました。
ヨイヤ経由で寄付するなら、前面的に安心と思います。
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ところで、解説の時に萬斎さんは、「ちょっと風邪ぎみなのでマスクをしています」と仰っていました。
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狂言の時も面ありので飛沫対策は万全過ぎるくらいでしたが、萬斎さんご当人のご回復を祈念しています。
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