萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第七回 文の会」を観る

10月29日、観世能楽堂で「第七回 文の会」を観てきました。
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「松風」。
松風が武田文志さん、村雨が関根祥丸さん、
旅僧が大日向さん、浦人が中村くん。
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めちゃくちゃ素敵でした。
特に地謡が。
私のお席は、地謡の後列も手前側お二人までがシッカリ見える、という絶妙なアングルで。
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地頭の観世宗家の熱唱なさるお姿は、姿勢も美しく、しかもフルフルした空間をまとっておられ。
葛桜の外側のようなフルフル感。
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そのフルフルが、お隣の三郎太さんや、前列の武田宗典さん&佐川勝貴さんまでも、じんわり包み込んでいくかのよう。
あのフルフルを介して、宗家の息遣いとかが伝播されているのかも。
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すごーく素敵だったけど、松風の悲恋のストーリーに感動した、っていうんではなく、シテ方と三役がこの曲を舞台ち立ち上げていく様に打たれた、とでもいいましょうか。
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ストーリー的には、そもそも行平の行動も理解できないし、松風にも感情移入できなくて、そんなヤツ待ち続けてどうする!と思ってしまうので。
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少し前に読んだ「おもて」(大槻能楽堂の会報誌)に、ちょうど「松風」が取り上げられていて、
松風と村雨は一人の女性の中の相反する人格とも捉えられる、というような事が書かれていましたが、その方が納得できる気がします。
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「萩大名」。
大名サマが萬斎さん、
太郎冠者が裕基くん、
亭主が深田さん、
後見が月崎さん
幕が中村くん。
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太郎冠者が亭主に交渉する間、大名サマは茶屋の門前(橋掛り)で待機します。
この時の大名サマの姿が、なんとも風情がありました。
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まだ日差しがちょっと強めだけど、明るい空が心地よい秋口、という気配があり。
いったいどうやって、その空気感を作りだしておられるんでしょう。
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茶屋の庭園に入ってからは、大名サマのフォローに奔走する太郎冠者がひたむきで、大名サマが羨ましくなりました。
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大名サマよ、太郎冠者の有能さを正しく理解していますか?、と問い詰めたくなってしまう。
今回の事を堺に、大名サマが太郎冠者をもっと大事に扱うようになってたらよいな、と思いました。
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この日の観世能楽堂のロビーは、お花が大集合。
文の会を主催された武田文志さんへのお花もありましたが
文化功労者に認定された観世宗家への蘭が圧巻でした。
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