萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第二十三回 久の会 鵜澤雅 二十七回忌追善能」を観る

10月9日、宝生能楽堂で「第二十三回 久の会 鵜澤雅 二十七回忌追善能」を観てきました。
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姨捨」のアイが、これぞ萬斎さま!な凄みの語りでした。
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装束は、空色の段熨斗目に、ウニちっく模様の鉄紺の長裃。
はいっ
その長裃をお召しくださるに違いない、と願いも込めつつ、半ば確信しておりましたーー
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先月末の鬼滅の刃では、平安パート無惨さまの語りに耽溺しましたが、今回のアイは、それを更に上回る素敵さで。
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姨捨のアイは、捨てられる老老女の悲哀に寄り添いもせず、捨てる側の甥への非難めいたそぶりもなく。
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突き放したような酷薄さもあるんだけど、それぞれの心情にフォーカスし過ぎないことで、全てを在るがままに許容する拡がりを感じました。
神様のような、はたまた月の光のような視点なのかしら。
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隔てなくそこに在るもの達を照らして、ただ事実を延べる事で、静かに人物像が浮びあがってくるのです。
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公演パンフには、雅さんの芸談も掲載されていて、読み応えがありました。
鵜澤光さんに至る系譜や、
更には、今回の小鼓の鵜澤洋太郎さん(後見は大倉源次郎さん!)のお祖父様が雅さんの弟という事まで、知る事ができました。
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更に更に、万作さんからの寄稿も載っていたのですが、
近藤乾之助さんとやってらしたイベントに言及しておられ。
そのイベント、いま私が読み掛けの近藤乾之助さんの芸談にも出てきたやつ!
あまりにタイムリーで嬉しくなりました。
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今回はお能がもう一曲あり、鵜澤光さんの「清経 恋之音取」だったのですが、竹市学さんのお笛がカッコ良かったです。
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大鼓は、どちらのお能とも広忠さん〜
長裃をお召しでしたが、「清経」では海の水底を思わせるチャコールグレー、「姨捨」では、月光のようなライトグレー、と目の保養をさせていただきました。
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