萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「平家物語の世界 語りの伝承 ―巻二十四―」を観る

8月15日、横浜能楽堂へ。

平曲「海道下」須田誠舟さん
こちらの会は、いつも平曲とお能がリンクするような番組になってるのですが、今回は、ずばり"海道下り"つながり、とのこと。

平家物語の「海道下り」の中で、源氏に生捕りにされた重衡が、鎌倉に護送される途中のエピソードが、「熊野」の元になっているだとか。

護送の道中で、池田の宿に重衡が泊まった折、そこの娘が歌を詠んで重衡に贈ったそうで。
で、実は彼女は、重衡のお兄ちゃん・宗盛の元愛人・ユヤちゃんだった、と。

そうだったんだ!


狂言「樋の酒」
太郎冠者が萬斎さん、次郎冠者が太一郎くん、主が深田さん、
後見が中村くん、
幕が内藤くん。

萬斎さんは、
テールグリーン地にふくら雀&笹の葉の肩衣、
紺の襟、
重ね扇の腰帯、
黄丹色の狂言袴、

女郎花色地に裏柳色の格子の縞熨斗目。裾の方がグラデーションで裏柳色になっています。
青緑の蓮の葉&水紋が配された扇。

太一郎くんコーデは、扇を除いて、すべて萬斎さんと色違い。

今回のような、裾にグラデーション
が入った熨斗目だと、とっておきのコーデ、という感があって、得した気分。

今回の萬斎さんの太郎冠者ルックの、肩から腕にかけてのフォルムが美しい。
肩衣の張出し具合も、
そこからカッキリ直線的に折り畳まれたかのような袖のラインも。
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今回は、酒宴の中で太郎冠者が舞う小舞を、トクベツに「海道下り」に差し替える演出でした。

「海道下り」って、「越後聟」の中で披露される謡だったでしょうか。
足をクロスさせて上空を仰ぎ見るお姿、風情あります~

横浜能楽堂の優美な鏡板を背景に、太郎冠者さまとゆく旅路を堪能しました。


能「熊野 三段之舞」
熊野が櫻間右陣さん、
朝顔が阪本葉さん、
平宗盛が森常好さん、
その従者が舘田善博さん。

囃子方が、広忠さん&飯田清一さん&松田弘之さん。
広忠さんは、胡桃色の袴。

地謡は6人編成で、ダーツ入りのエプロン風マスクつき。

ユヤちゃんが短冊に和歌をしたためる時、二行に分けて書いていました。
二行めに移るときに、筆(のつもりの扇)に墨を含ませて。

帰宅してから調べると、二行に分けて書くのを「墨継之伝(すみつぎのでん)」というのだそうです。

そして、この小書の時は「膝行(しっこう)」を演ずることになっている、と。
はい、そうでした、膝行もしてました。

プログラムに書かれた小書は1つだけだったけど、色んな小書が付いていたのですねー

優美な舞や謡の時に、キレのある囃子になったりして、ギャップが面白く、なぜか心地よかったです。