萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「新・私本源氏 春のめざめは紫の巻」を読む

田辺聖子さんが書かれた源氏物語のパロディ「新・私本源氏 春のめざめは紫の巻」を読みました。
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なんて面白い!
8巻から成り、各巻ごとに一人の女性にスポットを当てているのですが、それぞれに個性的で。
特に玉鬘と空蝉が魅力的でした。
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玉鬘の巻のタイトルは、
「やんちゃ姫 玉かつらの巻」。
空蝉の巻のタイトルは、「うつうつ空蝉の恋の巻」。
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源氏物語にまつわる私の知識は、漫画「あさきゆめみし」なのですが、
光源氏を玉鬘はこんな醒めた目線で捉えてたのぉ?
とか、
えーっ、あの儚げイメージの空蝉にそんな解釈?
と、楽しくてたまりません。
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本家の源氏物語も読んでみたくなりました。
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「新春展 源氏物語と江戸の教養」を観る

昭和女子大学の光葉博物館へ、「新春展 源氏物語と江戸の教養」なる展示を観に行ってきました。
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大学の構内は、梅がほころびかけていて、展示を観るまえから、すっかりなごやかモードに。
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そして、展示ですが、「源氏物語絵貼交屏風」という屏風が見応えありました。
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27カットの絵がが配されていて、全ての絵にキャプションがついています。
この絵のこの人物を描くと主題がぼやける、なーんてコメントもあって、面白いです。
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源氏物語双六」なぞというモノもあり、複製を無料配布という大サービス。
そもそも、入場無料というのも太っ腹です。
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それと、源氏物語ゆかりのお能として、「夕顔」のパネルも。
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三軒茶屋駅から徒歩7分、2月2日までの展示です。
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「松木千冬 三十三回忌追善 第36回 檀(まゆみ)の会」を観る

1月27日、観世能楽堂へ、「松木千冬
三十三回忌追善 第36回 檀(まゆみ)の会」を観に行ってきました。
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解説は葛西聖司さん。
今回の屋島で使う面は、朝倉尉&白平太とのこと。
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能「屋島 弓流 奈須与市語」
漁翁&義経松木千俊さん、
漁夫が武田文志さん。
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旅僧が殿田謙吉さん。
2人の従僧は番組表にお名前が無かったのですが、大日方寛さんと、もうお一人は、宝生尚哉さんでしょうか。
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屋島ノ浦人は、裕基くん。
狂言後見は、紋付の中村くん。
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囃子方は、一噌庸二さん&大倉源次郎さん&國川純さん。
長裃。
囃子方後見は裃。
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地謡も裃。
シテ方の後見は長裃。
重々しい装束がズラリと並ぶと壮観です。
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裕基くんの奈須が最高でした!
長裃は、ウニちっく模様の鉄紺色。ここぞのアイの時にはコレ着て欲しい、と私が念を送ってた装束。
段熨斗目は、若緑色&ブルーグレー&白。襟は水色。
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4年半ほど前の披きの時は、与市が特に印象的でしたが、今回は何といっても、逆鱗の義経がダントツで。
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怒りの焔がこめかみの辺りからゴウッと噴き出すと、凄絶に美しい!
昨年ハムレットを演じらた経験が関係してるのかしら。
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それと、情景描写のナレーションもすてきでした。
ナレーションの時は、抑制された語りにシフトして、カメラがズームアウトしていく感覚があって。
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裕基くん、萬斎さんの芸を完璧に継承してくださり、ありがとうございます!
そして萬斎さん、すんごいプログラミングをありがとうございます!!
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後シテの法被がポップな柄行で、可愛いてカッコいい。
古代紫地に金糸の渦巻が隙間なくミッシリ。その上に、大きめ笹竜胆がランダムに配されています。
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解説で葛西さんが仰ることには、この装束は、千俊さんのお父さまの千冬さんが誂えられたんだけど、一度も着れずに亡くなったのだとか。
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義経がシテの演目って屋島だけだから、ピンポイントで屋島に照準を定めた装束という事でしょうか。
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となると、お父様の無念のリベンジを果たすには、屋島を演じる以外の選択肢は無し、と。
33年の時を経ての実現とは、お能のお家の方々は、ものごとのスパンが別格なのですねー
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狂言「無布施経」
僧が萬斎さん、
施主が石田幸雄さん、
後見は、裃の高野さん。
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施主との会話で、僧は何度も「匂わせ」発言をするのに、ちっとも施主に気づいて貰えず。。。
気の毒なんだけど、焦ったがる僧が可愛いくて笑ってしまう。
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僧が「釣狐」の白蔵主みたい
でした。
お布施ゲットを諦めて立ち去りかけては、また戻らずにいられない、という所が。
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「野村萬斎+坂本龍一+高谷史郎《LIFE - WELL》 2013年」の上映を観る

初台のNTTインターコミュニケーション・センター(以下、ICC)で、萬斎さんのレア映像が観れると知り、先日の日曜に行ってきました。

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その映像とは、10年ほど前に山口県で行われた「野村萬斎坂本龍一+高谷史郎《LIFE - WELL》  2013年」。
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当時、私は現地で生の舞台を拝見したのですが、
「鷹姫」の空賦麟(くうふりん)を萬斎さんが洋装で演じられ、これが衝撃的にカッコよかったので、あの感動を再び味わいたくて。
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そして、この度、新たな感動が!
様々なアングルで撮られた映像のおかげで、俯瞰した目線で観ることができ、
会場の上空に設えられた水槽や、そこから揮発していく蒸気が、より強く意識に働きかけてきてくれた為かと思います。
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で、あの時に上演された演目は、いずれもが水というテーマで繋がって、舞台美術ともリンクしていたのかぁ、とようやく気付きました。
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生で観る時って、私の意識は、ついつい萬斎さんにズームしてしまうので、大枠の事に気付かなかったようです。
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そして、鷹姫が第2部で上演され、第1部は能楽の古典曲だったために、第1部と第2部を完全に切り離して捉えていたのかも。
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そんな訳で、今回は第2部だけが上映されるのだろうと思って出かけのですが、
いやいやいや!
第1部も込みで上映する事に意味があったのですねー
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帰宅してから当時の公演パンフを読み返してみると、どういう思いで教授が、この公演を企画したのか、ちゃんと書いてありました!
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当時も、パンフ文字は目に写っていたはずなのですが、今回は実感を伴って受理できました。
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なぜか、ICCのサイトには詳細が載っていないので、これからご覧になられる方のご参考になればと思い、ICCでの上演の中身を下記に記載しておきます。
出演者名は、2013年公演のパンフから転記しています。
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【第一部】(55分)   
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狂言「田植」
 シテ(神主)  野村萬斎
 立衆(早乙女) 高野和
        中村修
        内藤連
 後見     飯田豪
 笛      一噌隆之
 小鼓     大倉源次郎
 大鼓     亀井広忠
 太鼓     小寺真佐人
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舞囃子「賀茂 素働」
 シテ(別雷神)
     梅若紀彰
 笛   一噌隆之
 小鼓  大倉源次郎
 大鼓  亀井広忠
 太鼓  小寺真佐人
 地謡  上野雄三
     山本博
     梅若基徳
     鷹尾章弘
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素囃子「猩々乱」
 笛   一噌隆之
 小鼓  大倉源次郎
 大鼓  亀井広忠
 太鼓  小寺真佐人
 ピアノ 坂本龍一
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【第二部】(30分)
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LIFE-WELL
「鷹の井戸」
「鷹姫」
「湖の島イニスフリー
  朗読者・空賦麟
       野村萬斎
  シテ(鷹姫)
       梅若紀彰
  笛    一噌隆之
  小鼓   大倉源次郎
  大鼓   亀井広忠
  太鼓   小寺真佐人
  ピアノ  坂本龍一
  地謡(岩) 上野雄三
       山本博
       梅若基徳
       鷹尾章弘
       高野和
       中村修
       内藤連
       飯田豪
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第1部と第2部は、連続して上映され、トータル85分の上映でした。
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番組を転記していて思ったのですが、単に水にちなんだ演目をセレクトしたのではなく、上演の順番もマストだったのかなと思い至りました。
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というのは、
「田植」は「賀茂」に「御田」の小書がついた時の間狂言なので、
「田植」の次に
「賀茂」の後場
という順番は当然とも受け取れますが、
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それだけでなく、視界をどんどん拡張させていく作戦も含まれていたのかな、と。
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つまり、まず、
「田植」で、
日本の陸地、
「賀茂」の後場で、
日本大陸の上空、
「猩々乱」で
中国の海域、
そして「LIFE - WELL」で、
海を隔てたアイルランドへ、と視座の高度を上げて行く事で、地球そのものにまで意識を向けよう、としておられたのかな、という気持ちになっています。
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10年3ヶ月の時を経て、教授の思いを受け取れた思いです。
いや、まだ、ほんの一部しか
受け取れていないかもしれませんが。
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観る度に、新たな発見ができるように仕組まれている可能性もありますし。
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映像に教授のお姿が登場するのは、第1部の途中からですが、教授のスピリッツは冒頭からラストまで、くまなく行き渡っていることが、今はしみじみ感じられます。
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今回、「田植」の途中で退場してしまった方がおられましたが、
うーん教授が出てこないな?、と思われての退場だとしたら、勿体ない事でした。
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今回の上映は、ICCで開催中のイベント「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」の展示の1つという位置付けです。
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イベントは、3/10までですが、《LIFE - WELL》は土日祝日のみの上演ですので、
残るチャンスは、あと10数回です。
ICCのサイトから事前予約できますので、多くの方にご覧頂ければと思います。
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「新春よこすか能 観世喜正プロデュース 蝋燭能 住吉詣」を観る

1月13日、横須賀芸術劇場へ、「新春よこすか能 観世喜正プロデュース 蝋燭能 住吉詣」を観に行ってきました。

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5年ほど前に伺った時は、えらく遠く感じましたが、今回はけっこう近かった印象です。
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最初に観世喜正さんによる解説。
丁寧に解説くださり、源氏物語そのものへの興味を掻き立てられました。
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六地蔵
徒ら者が萬斎さん。
その仲間の徒ら者が、
裕基くん
&金澤桂舟くん
&月崎さん。
田舎者が太一郎くん。
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裕基くんがなさったお役は、番組表では深田さんだったのですが、代演のようです。
裕基くんが務めるはずだった後見を、福田成生さんがなさり。
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角頭巾の萬斎さん、久しぶりでした!
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萬斎さん演じる徒ら者は、地蔵に持たせるグッズとかはしっかり調達してある割には、詰めが甘いのです。
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そのためか、うまくいったらラッキーくらいのノリで仕掛けたように見えて、憎めません。
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裕基くんと金澤桂舟くんが並ぶと、勢いの相乗効果がありました。
今後も色んな演目を、このお2人で観てみたいです。
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「住吉詣」
明石上が観世喜正さん、
その侍女が2人(お顔が面に隠れてたけど番組表のお名前とは違う方だった?)。
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光源氏が梅若紀彰さん。
その乳兄弟・惟光(これみつ)が大槻裕一くん。
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光源氏一行は、他に、
童(観世和歌ちゃん)、
随身6人(横須賀市の小学生)、
従者3人。
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住吉神主が福王和幸さん、
その従者が裕基くん。
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笛が一噌隆之さん、
小鼓が飯田清一さん、
大鼓が広忠さん!
この日も紋付裃の凛としたお姿。
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解説で喜正さんが、この作品は、幽玄というより王朝絵巻をたのしんで戴ければ、と仰っていたけど、
まさに絢爛豪華な王朝絵巻でした!
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光源氏は、八藤の地紋入りの直衣、古代紫に八藤の指貫。
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惟光といえば、漫画「あさきゆめみし」に出てくる惟光の顔しか浮かばないんだけど、裕一くんの方が雅やかでした。
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随身の子方ちゃんたちが可愛い!
雛飾りの右大臣・左大臣みたいな出立ちで、背中に矢を背負ったり、弓を持ったり、と、物々しくも華やかで。
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そして、明石上が屋形船に乗って橋掛りの松の辺りに登場。
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今回は蝋燭能で、一の松〜三の松の代わりに、夫々の場所に蝋燭が灯されており。
蝋燭の明かりに額や頬が煌き
、暗がりの中からすーっと出たきた感じが綺麗でした。
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初めて観た演目でしたが、面白かったです。
喜正さんが仰るには、源氏物語にゆかりのお能は、9曲ある、と。
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帰宅してから検索したら、
古典の能が10曲、新作能が2曲と書いてあるサイトもあり。
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12曲ぜんぶコンプリートしたくなっています。
今まで観た事があるのはメジャーな曲だけなので、何年かかるか分りませんが。
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「第105回 野村狂言座」を観る

1月11日、銀座能楽堂へ「第105回 野村狂言座」を観に行ってきました。
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冒頭の解説は萬斎さん。
その際に萬斎さんから、
能登半島地震への募金の呼び掛けがありました。
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終演後にロビーでシーツ募金やります、と。
そして、定番の「できれば紙の方を」とのリクエストも。
「もちろん、ゼニでも良いですが」とのお言葉つき。
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萬斎さんが「ゼニ」と口にされても、品性が損なわれない不思議。
むしろ、黒紋付の端正なお姿とのギャップにトキメく。
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「野老」の解説の中で、東京オリンピックのエンブレムをデザインされたのが、野老さんというお名前でしたね、と。
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で、思い出したのですが、
8年ほど前、蕨市に萬斎さんの「岡太夫」を観に行った時にも、解説の際に同じようなお話がでてきたな、と。
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その時に、番組表には無い「野老」の謡を万作さんがサプライズ披露してくださった事があったような。
記憶が曖昧なので、途中からは私の妄想かもしれません。
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解説は18分。
定刻オーバーくださり、ありがとうございます。
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「筑紫奥」
年貢を納めにきたお百姓さん達から、あるモノを搾取する中間お代官さま。
それが、金品の搾取ではなく、笑いの搾取、というのが楽しい。
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「竹生嶋参」
主をなさった裕基くんの激昂が美!美!美!
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他の抜け参りモノと同じような始まり方なのですが、
太郎冠者の家に訪ねていって、シサリオロウ!と一括した姿が。
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長裃のフォルムも完璧で、歌舞伎や文楽だったら、見得の切りどころになりそうな。
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鬱金色の向鶴菱の長裃、女郎花色&グレー&胡桃色の段熨斗目、というコーデも綺麗。
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「無布施経」
万作さんが可愛い。
万作さんが襟元に隠していた袈裟がはみ出した瞬間に、全てが露呈してしまうんだけど、終わり方が優しい。
施主の人柄が全てをフォローしています。
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「野老 白頭」
小書つきです。
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ワキやアイが出てきて、お能のテイスト。
そして、シテの天冠には、山芋ドーン!
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橋掛りを進んでくる時は、面が白頭に隠れて見えないので、悲哀のオーラが勝ってて、ううむ、アレは山芋のようにも見えるが、まさかね。。。
と、まずは疑惑を生じさせる、と。
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で、本舞台に移動すると、空吹の面がアラワになり、真面目に冗談やってます、とアピールしてくれるので、山芋ギワクは、確定となる
・・・・という感じで、
見所を揺さぶってくるのが堪まりません。
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そして、何といっても、萬斎さんの佇まいと謡のお声が、圧倒的に美しい。
萬斎さんがシテ方にお生まれになっていても、やっぱり大スターになったのだろうなぁ、と思います。
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今回の解説を萬斎さんが務められる意図は、狂言で直面が拝めない私達へのお気遣いだったと思いますが、
奇しくも、シーツ募金の呼び掛け人としても最強ポテンシャルの人選となりました。
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ロビーの募金に立たれていたのは、
中村くん、
内藤くん、
フカタカこんび、
金澤桂舟くん、
福田成生さん。
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萬斎さまがリクエストなさった通り、紙をシーツに入れて来ました。
ヨイヤ経由で寄付するなら、前面的に安心と思います。
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ところで、解説の時に萬斎さんは、「ちょっと風邪ぎみなのでマスクをしています」と仰っていました。
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狂言の時も面ありので飛沫対策は万全過ぎるくらいでしたが、萬斎さんご当人のご回復を祈念しています。
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「観世会定期能 1月」を観る

1月7日、観世能楽堂へ、「観世会定期能 1月」を見に行ってきました。
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「翁」
翁が観世宗家、
三番叟が裕基くん、
千歳が杉浦悠一郎さん、
面箱が中村修一くん。
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笛が杉信太朗さん、
小鼓頭取が幸正佳さん、
脇鼓が飯田清一さん
手先が曽和伊喜夫さん
大鼓が原岡一之さん。
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三番叟後見が高野さん&飯田くん。この組合せでのこのお役目、珍しい。
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観世宗家の狩衣は、鈍いゴールドで、ウィリアムモリス風の地紋。裏地古代紫
指貫は、象牙色地に金糸の八藤模様。
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なんと美しいコーデ!
フォルムは、思いっきり「和」なんだけど、ヨーロッパの王侯貴族のような雰囲気。
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観世宗家ともなれば、翁を務める機会は多いでしょうから、たまには蜀江模様じゃないパターンも着てみようかな、という遊び心でしょうか。
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その遊び心の日に当たってラッキーでした。
ありがとうございます!
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この日の翁の面は、ロビーの展示によると「父尉」なる面で、吊り目が印象的でした。
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そして、大鼓後見が、なんと広忠さん。
ていうか、広忠さんてば、この時間はフリーだったの?
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そんならご自身が打ってくださればいいのに〜、と、つい思ってしまう。
が、後見というお役目があるのですから、フリーでは無いですね。
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原岡さんが素襖を両袖脱ぎにされると、後ろに垂れ下がってた素襖を広忠さんが丁寧に整えられ。
原岡さんの肩甲骨の辺りから袖が末広がりに流れて、荘厳感のあるフォルム。
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そして、脇鼓の飯田さんの素襖の右袖も、同様にピシーッと整えられ。
小鼓後見はお一人だけだった事もあり。
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さて、今回の私の最大目的は、裕基くんの三番叟。
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直垂の袂が空間を切り裂き、フレッシュな空間が新たに出現していくかのよう。
そして、黒色父尉はツンとした面差しで、裕基くんのシャープな身体性にマッチしてました。
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今回、私は中正面のお席だったのですが、このアングルの面替りも絶品でした。
頭部が手前から奥へ旋回していくので、遠近感の変化がドラマチックで。
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「鬼瓦」
大名が万作さん、
太郎冠者が石田さん、
後見が遼太くん。
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万作さんの素襖裃は、青鈍色にヤツデ。
私の好きな装束!
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国元に戻ったら因幡堂のコピーを建立したい、とお堂の様子を観察して周る場面が、良かったです。
極上コンビならでは。
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「野守 黒頭 天地之声」
野守ノ精&鬼神が角幸二郎さん、
山伏が福王和登さん、
春日の里人が飯田くん。
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笛が藤田次郎さん、
小鼓が観世新九郎さん、
大鼓が広忠さん、
太鼓が金春惣右衛門さん。
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前場の謡と囃子がメルヘンチック。
日向に咲く花が揺らめいているような雰囲気で、すてきでた。
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広忠さんの裃は、先程の「翁」で後見をなさった時とは、違うお色。
さすが広忠さん、一演目ごとに袴の色をチェンジなさるのは定常運行とはいえ、後見を務められる時も同様なのですね。
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他にも、豪華な方々による演目が並んだ公演でした。
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見所の正面席最後列に、松岡心平先生のお姿。
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