萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

万作さん&萬斎さんの「菊の花」を観る

宝生能楽堂で、万作さん&萬斎さんの「菊の花」を観ました。
伺ったのは、「宝生月浪能 特別会」。
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万作さんが、自分の主人の萬斎さんに無断で都見物に行ってしまい、帰ってきたところから始まります。
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まったくオマエは〜と主人は怒りますが、結局は許してあげて、で、都はどうだった?と。
で、万作さんが都の話を、萬斎さんに仕方話で語ります。
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菊の花を摘んで頭に挿してたら、美女に声をかけられて
「今から私たちはお花見に行くとこ。一緒に来る?」
と誘われて、ついていっちゃったお話などを語ります。
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万作さんは、今まさに旅から帰った、という高揚感にキラキラしておられ。
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往来の砂埃がまだ衣服にまつわりついていて、それが煌めいているかのよう。
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今回、珍しく万作さんがセリフに詰まる場面が。
美女に詠みかけられた歌が出てこなくて。
何故か後見の月崎さんはフォローされる気配がなく、萬斎さんがプロンプターを。
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が、万作さんには聞こえないご様子。
以前に、萬斎さんの声質は御一門の中で最も万作さんには聞こえづらい、と伺ったことがあります。
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月崎さん〜、月崎さんの声でリピートしてー、と私は念を飛ばすも月崎さんは無反応。
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萬斎さんが3回トライされ、回を追うごとに音量アップしていきましたが、それでも万作さんのお耳に届かず。
ついに、4回目には萬斎さんは万作さんに向き直ってデッカい声でセリフ付けを。
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肩越しに顔だけを振り向けるんでなく、ちゃんと長袴を捌いて身体ごと向きを返すのですねー
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狂言師は目でなく胸で相手を見よ、と指導されるそうですが、なるほど今は主人としての身体になってるから、その狂言ルールが適用されるって事でしょうか。
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萬斎さんは、藍色の長裃に、
古代紫色の段熨斗目、水色の襟。
色調に相応しいエレガントな向き直り方で、確かに主人のお役そのままでした。
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写真は、本日の宝生能楽堂のロビーに展示されていた「玉井」のグッズです。
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