萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「国立能楽堂 定例公演」を観る

5月10日、国立能楽堂へ。
チラシのラックが復活していました。
コロナが5類に移行したんだなぁ、と実感です。

狂言佐渡狐」
奏者が万作さん、
越後お百姓が高野さん、
佐渡のお百姓が深田さん、
後見が石田さん、
岡さんが幕。
岡さんが、なぜか紋付裃。

奏者は、ワイロを受け取ったりして法律的にはアウトなんだけど、人間味があって魅力的。
これくらい話の分かるヒトの方がやりやすいよなぁ、と言ってる昔の人達の声が聞こえてきそうです。
ええ、そーでしょうねー
 
能「賀茂  素働(しらはたらき)」
前シテの里女&別雷神が上田貴弘さん、
前ツレの里女が吉井基晴さん、
天女がが角幸二郎さん、
室明神の神職が舘田善博さん、
従者が梅村昌功さん&野口琢弘さん。

狂言「御田」
神主が萬斎さん、
早乙女が、裕基くん
&飯田くん&中村くん&内藤くん&太一郎くん、
後見が岡さん&月崎さん、
働キが深田さん、
幕が高野さん。

笛が杉信太朗さん、
小鼓が飯田清一さん、
大鼓が広忠さん、
太鼓が林雄一さん。

岡さんは既に紋付裃ではなく、普通の紋付にチェンジされていました。

神主サマは、神密域の扇、観世水が織り出された白練色の水衣。
演目にぴったりのコーデ!

そして、裕基くんのシャープな立ち姿がめちゃくちゃキレイ。
緊張感に満ちた前傾フォルムは、ロックバランシングのよう。
右脹脛の後方に張り出した縫箔の褄先が、重心のバランスのキモに思えてきます。

神主サマと早乙女ちゃん達の謡の掛け合いが、優美でうっとり。
神主サマはセクハラ言動連発なのですが、はしゃぐ子供のようで憎めません。
子供が母親の洋服ダンスの中の華やかな服に、ワーイきれいだなぁ、とまとわり付いてる風。

明るい陽射しがキラキラ飛び跳ねているよつな間狂言でした。

賀茂は、後シテがカッコよかったです。頭につけた巨大なゴールド稲妻が気に入っちゃいました。

モニタ解説にて、これは「ヒカリ」という名前と学習しました。
そして、このヒカリなるグッズは、公演パンフによると「素働」の小書がついた場合のみ登場するようです。

シンプルで平坦な形状なので、一歩間違うとチープな工作風に陥りそうなもんなのに、不思議と高貴な精悍さがあり。
演者さんの身体性や、面と装束との組合せがポイントなのでしょうか。
 
来月は小書なしの「賀茂」を観る予定なので、今回と比較して観るのも楽しそうです。