萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

主に萬斎さん公演メモ 2019年10月

??10/3、「第33回 月窓寺 吉祥寺薪能

会社を早めに脱出したけど、今にも雨が落ちてきそうな空模様。
こりゃ雨天会場に違いない、と思いつつ念のため問い合わせると、屋外で決行とのこと。

不安を抱きながら会場へ。
到着したそばから、早くも雨がパラつきだす。。。

が、上演前には何とか雨が止んでくれました。

冒頭のご挨拶で会長さんが、萬斎さんのことを「野村萬斎能楽師、あ、違いました、狂言師でしたね」と言い直しを。
能楽師でも間違ってないですよー
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「萩大名」
大名が万作さん、太郎冠者が飯田くん、亭主が萬斎さん。
私には初めてのレアな配役。

萬斎さんはグリーン系(暗くて色は不明確)の長裃、ブレーグレーの段熨斗目、ライトグレーの襟。
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萬斎さんがなさる亭主は、大名の不作法な発言のアレコレに敏感に反応してイラっとしてる風。

石田さんとか深田さんがなさる亭主は、けっこう鷹揚に構えていて、些細なことは許容しましょう、というゆったりしたトコがあったような。

演じる方によって、こうも違うっていうのが興味深いです。
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中村さん(横浜能楽堂芸術監督)による「清経」の解説が、演目への愛に溢れていて楽しい。
もーぉ 清経のことを語りだしたら止まらん!って感じで。
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そして、清経は、この強風の日にドンピシャの演目でした。
後シテの登場前なんて、ここぞのタイミングで風が唸り、揚幕が大きくハタメめく!
屋外決行、大当たりでした。
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●10/9、『「中島敦展−魅せられた旅人の短い生涯」記念 トークと朗読 野村萬斎、「敦」を語る。」、神奈川近代文学館
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萬斎さんによる「牛人(ぎゅうじん)」の朗読を拝聴。
藤原道山さんによる尺八の伴奏つき。お二人とも、タイトめの黒いシャツに黒いパンツ。
うーん、なんと見目麗しいお二人。
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圧巻の語りでした!
これが聴けてよかった。
奈須与一語を自在に操る方が手掛けると、こうも凄味のある朗読になるのか。
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後半は、萬斎さんと池澤夏樹さんのトーク
濁音のもつ力のお話が面白かった。
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??10/11、「庭園能」、台風が近づいていたため雨天会場(喜多能楽堂)での開催に。
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「黒塚」1演目だけでしたが、充実の公演でした。
シテは香川靖嗣さん、ワキは宝生欣也さん、アイは萬斎さん。狂言方の幕は中村くん。
萬斎さんは、テールグリーンの無地熨斗目、卵色の襟、山葵色のヨレ水衣、同色の緞子の腰帯、カーキの能力頭巾。焦げ茶の狂言袴の括り袴。
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シテが中入する時の運ビにワクワクしました。
一の松の辺りまで普通に歩き、そこを過ぎてフッと足を止め、いったん閨を振り返り、でも何も言わずに揚幕へ向き直って、グンとスピードアップして幕入。
この時の女は、いっそ閨の中の惨状が発覚してしまえばいい、くらいの気持ちだったのかも。

会社の先輩ご夫婦とご一緒したのですが、私は狙ってる電車があり、終わるやいなや、ひと足先に帰りました。

その後日、先輩が仰ることには、終演後のに、先輩のご主人が?「で、萬斎さんて、どこに出てたの?」と。

先輩が突っ込むより先に、周りの何人もの人が、キッと振り向いたそうで。
「めちゃくちゃ恥ずかしかった」そうです。

あんなに萬斎さんが近くにいらしたのに、なんで分かんなかったのかしら?、と先輩は呆れておられましたが。

ご主人は、生の萬斎さんは今回が初とのことで、映像で観るのとはちがうのでしょうかねー

??10/19、「橘香会 蕉鹿語(しょうろくのかたり)」、国立能楽堂
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まず村上湛センセの解説。
芭蕉」のアイは、「姨捨」と並んで、アイが重要なんです、とのお話。
アイを聞かないと話として成立しない。すなわち、前場の謡には出てこなかった情報をアイが語るのだ、と。

さらに、今回は狂言方の小書「蕉鹿語」がつく、レアな公演なんです、と。
この小書は、後場でチラッとだけ出てくる「鹿の音」に紐づくそうで。

でも、後場では、特にその説明があるわけではないので、これもアイを聴かないと分らない、と。

ここまでアイの役目が重いのは、「姨捨」レベルだそうです。
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芭蕉」のシテは梅若万三郎さん、ワキは宝生欣也さん、アイ(里人)は萬斎さん。

萬斎さんは、金茶の段熨斗目、薄納戸色の向鶴菱の長裃、ブルークレーの襟。

語りのお声に耽溺しました。
狂言のときの声お声より、更に低く、重厚なお声!

「山姥」の前シテの面がうつくしかった。
後シテが杖から持ち替えた扇が、金地に白銀の満月&黒雲。素敵〜
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●10/26、「第22回 長島茂の会」、喜多能楽堂

「翁」から休憩なしに「絵馬 女体」が続く番組構成。
シテも囃子方地謡も続投する、という。
これが本来の形式なのだとか。

翁が長島茂センセ、三番叟が萬斎さん、千歳が飯田くん、狂言後見が太一郎くん&裕基くん。
囃子方は、広忠さん&源次郎さん&一噌隆之さん&小寺真佐人さん(後見が佐七さん)
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萬斎さんの三番叟がトンデモないことに!
今月は既に2回も踏んでおられたようですが、踏み満ち足りちゃうなんてことはないんですね。
むしろ、踏めば踏むほど励起されていく仕組みなさのようです!!

そして、「絵馬」がめちゃくちゃ面白かった。
「翁」に出演したメンバが、その高揚感を内包したままやると、こんなことになるのか。

観てる側も、翁を観たウワーッて気持ちが継続したまま観てるし。
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「絵馬」で姥をなさったのは大島輝久さん。清らかな美しさが漂うお姿。老いと美しさは両立するんですねー
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●10/27、「宝生会 秋の別会能 第二部」、宝生能楽堂

「天鼓」で一噌隆之さんの超絶テクが炸裂すると、その後の「鞍馬天狗」では、その更に上を行く超絶テクが一噌幸弘さんから繰り出される。
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鞍馬天狗」のオモアイ(西谷の能力)が萬斎さん、アドアイ(小天狗)が太一郎くん。

2つのお能の間には、「水汲」。万作さんがシテ、中村くんがアド。しみじみ素敵な演目。
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??10/30、「ござる乃座 60th」、国立能楽堂

万作さん&裕基くん「鍋八撥」
目代は石田幸雄さん。

萬斎さん&中村くんの「樋の酒」。主は内藤くん。

「髭櫓 カケリ入」
夫が萬斎さん、妻が太一郎くん。

馬鹿馬鹿しいことを、とことん格調高くやる、というトコが好き。
直垂の萬斎さんは、富樫ですか?といいたくなる品格をまとっておられました。

それと、太一郎くんが今回も安定の美人妻でした!

??10/31、「戯曲リーディング アテネのタイモン」、シアタートラム
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https://yaplog.jp/2109447/archive/1055