萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「萬斎インセルリアンタワー21」を観る

12月15日、セルリアンタワー能楽堂へ。

最初に萬斎さんによる解説。
茄子紺の紋付袴。
蜂須賀先生カラー!

解説は40分。
毎年、この解説が楽しみで、なんとしてでも、この公演には行く、と心に誓っている所以です。

今年も、濃い話題いっぱいでした。
時に混じる毒舌も、けっして聞いている側を不愉快にさせない、というのが不思議。
寧ろ、魅力増し増しです。

狂言「磁石」
すっぱが石田幸雄さん、
田舎者が淡朗くん、
宿屋が深田さん、
後見が内藤くん。

石田さん親子ってば、息ぴったり。
石田幸雄さんの、ぬめっとした、すっぱの雰囲気、気に入りました。

狂言「塗附」
塗師が萬斎さん、
大名が太一郎くん&内藤くん、
後見が淡朗くん。

塗師が売り声をあげながら通りを流してゆくんだけど、「しかも、上〜手です!」というフレーズが。
これが自慢げで、

くぅーっ
なんて自信満々なヒトなんだぁ、可愛いっ、

と嬉しくなっちゃう。

塗った漆を乾かす工程では、
あの小さな箱から、大きな「風呂」が出てきて、私は、うわーっとワクワク。

「風呂」の表面に描かれた模様も雅やかで、すぐそこまで新年が近づいているのだなー、と、浮き立つような気持ちを思い出しました。

大名たちの烏帽子がくっついちゃったのは、どう考えても塗師の責任な気がするのに、当の塗師は、少しも悪びれるそぶりなし。

うん、いいよいいよぉ、そのオメデタイ感じ、どんどん調子に乗っちゃてください!!

救世主よろしく、自分が、くっついちゃったのを解決してあげましょう、なんぞと威張ってるのも、チャーミング。

そして、大名側も、どうやら有り難がっている様子。

いえいえいえいえ、大名コンビよ、そこは怒るトコでしょー、
とツッコミどころ盛りだくさんなのも、楽しかったです。