12月20日、観世能楽堂へ。
今回、はじめて「雁大名(がんだいみょう)」という狂言を観ました。
大名が萬斎さん、太郎冠者が内藤くん、雁屋が飯田くん、後見が中村くん、幕が裕基くん。
大名サマは、スモーキーな瑠璃色と胡桃色の段熨斗目、ブルーグレーの襟、鬼瓦が配された青鈍色の素襖裃。
とっても晴れ晴れとした、佳いお顔。
この前夜に紅白の審査員をなさる、というニュースが流れ、ハフ− やっと情報解禁されたー、という開放感だったのでしょうか。
もしくは、フフフ― 久々に紅白に出ちゃうもんねー、というワクワクだったのでしょうか。
イヤ、ワクワクなのは、むしろ私です!
ありがとうございます!!
で、はじめて観たこの演目、なんとまー 主従で結託して万引きをする、とゆーお話でした!
しかも最後にトッチメられたりせずに、万引きが成就しちゃう、という。
大名とはいえ、暮らしは貧しい大名サマなのです。
素襖裃のお姿の萬斎さんを久しぶりに拝見しましたが、袴捌きにウットリ。
太郎冠者を脅すために刀の柄に手をかけるポージングも、格別の美しさでした。
お能は、「葛城 大和舞」。
里女&葛城ノ神は加藤眞悟さん、山伏は梅村昌功さん&舘田善博さん&野口能弘さん。
里人は太一郎くん。
笛は一噌庸二さん、小鼓は久田舜一郎さん、大鼓は広忠さん、太鼓が大川典良さん。
前シテはホワイト on ホワイトのコーデ。
橋掛かりに出てくると、一気に雪国の風情に。
雪に覆われた笠と白い小袖が、清浄な景観をうつしだします。
お能が育まれた日本に、冬という季節があって良かった。
後シテは、グリーン地に金糸の桐&銀杏&アラベスク調の蔦が配された舞絹。
紅葉した蔦(?)の葉の天冠との色の対比が鮮やかで美しかったです。
他に仕舞2つと、梅若万三郎の舞囃子「融」がありました。
「融」の時の広忠さんはチャコールグレーの袴。
万三郎さんが舞われる姿は、ほんとに月光を受けているかのようでした。