萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「梅若研能会 十二月公演」を観る

12月20日、観世能楽堂へ。

今回、はじめて「雁大名(がんだいみょう)」という狂言を観ました。
大名が萬斎さん、太郎冠者が内藤くん、雁屋が飯田くん、後見が中村くん、幕が裕基くん。

大名サマは、スモーキーな瑠璃色と胡桃色の段熨斗目、ブルーグレーの襟、鬼瓦が配された青鈍色の素襖裃。

とっても晴れ晴れとした、佳いお顔。
この前夜に紅白の審査員をなさる、というニュースが流れ、ハフ− やっと情報解禁されたー、という開放感だったのでしょうか。

もしくは、フフフ― 久々に紅白に出ちゃうもんねー、というワクワクだったのでしょうか。

イヤ、ワクワクなのは、むしろ私です!
ありがとうございます!!

で、はじめて観たこの演目、なんとまー 主従で結託して万引きをする、とゆーお話でした!

しかも最後にトッチメられたりせずに、万引きが成就しちゃう、という。

大名とはいえ、暮らしは貧しい大名サマなのです。

素襖裃のお姿の萬斎さんを久しぶりに拝見しましたが、袴捌きにウットリ。
太郎冠者を脅すために刀の柄に手をかけるポージングも、格別の美しさでした。


お能は、「葛城 大和舞」。

里女&葛城ノ神は加藤眞悟さん、山伏は梅村昌功さん&舘田善博さん&野口能弘さん。

里人は太一郎くん。

笛は一噌庸二さん、小鼓は久田舜一郎さん、大鼓は広忠さん、太鼓が大川典良さん。


前シテはホワイト on ホワイトのコーデ。
橋掛かりに出てくると、一気に雪国の風情に。
雪に覆われた笠と白い小袖が、清浄な景観をうつしだします。

お能が育まれた日本に、冬という季節があって良かった。

後シテは、グリーン地に金糸の桐&銀杏&アラベスク調の蔦が配された舞絹。
紅葉した蔦(?)の葉の天冠との色の対比が鮮やかで美しかったです。


他に仕舞2つと、梅若万三郎舞囃子「融」がありました。

「融」の時の広忠さんはチャコールグレーの袴。

万三郎さんが舞われる姿は、ほんとに月光を受けているかのようでした。