萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第十六回 桂諷會」を観る

11月24日、国立能楽堂へ「第十六回 桂諷會」を観に行ってきました。
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「求塚」
菜摘女&菟名日処女の霊が長山桂三先生、
ツレの菜摘女が北浪貴裕さん&坂井音晴さん。
旅僧が宝生常三さん、
従僧が館田善博さん&梅村昌功さん。
所の者が深田さん。
笛が松田弘之さん、
小鼓が曽和正博さん、
大鼓が國川純さん、
太鼓が金春惣右衛門さん。
地頭が浅井文義さん。
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前シテも後シテも、白の摺箔に流水紋なのに、模様が違う
、というコダワリ!
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前シテは観世水ちっくな流水で、柔らかな曲線のフォルムが、ふっくら愛らしい面と相まって、春の日差しのキラキラ感。
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その一方で、後シテの流水は、曲線を最小限に抑えてあって直線の主張の強い怜悧な模様。
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頬の削げた面と呼応して、死の場所となった川の水の冷たさを感じさせます。
同じ川なのに、川のイメージをこんな風に転換させるって面白いです。
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そして、この後シテの面は不思議な吸引力があって、上下で表情が変わるだけじゃなく、ごく僅かに横を向くだけでも陰影がガラリと変わり。
様々な表情に惹きつけられました。
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「磁石」
すっぱが万作さん、
田舎者が萬斎さん、
宿屋が高野さん、
後見が月崎さん。
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萬斎さんが横たわって寝る場面、後ろ姿が美しいー
身体は横たえてはいるけど、頭部は重力方向に垂れずに、ピシッと身体と同軸を保っており。
「寝る」のピクトグラム
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そして、「磁石」の死を悼む万作さんの謡と、それに続く萬斎さんの謡が最高でした。
この情感、万作さん・さんコンビならではなんじゃないでしょうか。
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仕舞「菊慈童」
観世銕之丞センセ。
地頭が馬野正基さん。
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「石橋 大獅子」
童子&赤獅子が凜三くん!
披きだそうです!!
白獅子が長山桂三先生。
寂昭法師が野口能弘さん。
仙人が野村裕基くん。
笛が杉信太朗さん、
小鼓が大倉源次郎さん、
大鼓が大倉慶乃助さん、
太鼓が林雄一郎さん、
地頭が銕之丞センセ。
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キレキレの獅子コンビでした。
白獅子は赤獅子の親という設定らしいのですが、親子というよりは兄弟っぽく、キレキレの相乗効果がかっこよかったです。
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そして、アイの裕基くんは、ユリのある謡とともに橋掛を渡ってきたのですが、これが素敵で。
その後の語も、マといい、抑揚といい、めちゃくちゃイイ!
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新しいエネルギーに、明るい未来を予感した日となりました。
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