萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第62回 朋之会」を観る

8月30日、「第62回 朋之会」を観に観世能楽堂へ。
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最初に武田崇史さんによる解説。
「歌占」の解説では、
おみくじに書かれている和歌こそが、歌占なのですよ、とのおはなしが。
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あの和歌の下に運勢を占う内容が記載されているけど、あれは和歌を読み解いた事を占いとして書き起こしてあるのだ、と。
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そうであったかー
おみくじの和歌は、ちょっと装飾的に、オマケとして載せてあるだけなのかと思ってました。
むしろ逆で、和歌ありき、だったのですね。
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能「歌占」
男巫の渡会何某が武田宗典さん、
光菊丸は子方ちゃんで、武田智継くん。
その光菊丸を伴う男は、武田祥照さん。智継くんのリアルおとうさま。
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大鼓は白坂保行さん、
小鼓は鵜澤洋太郎さん、
笛は栗林祐輔さん。
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子方ちゃんは堂々とたる立ち居振る舞い。
男巫が光菊丸へ、すでに尋ね人に巡りあっていますよ、と告げる場面は、静かにクール。
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初演された当初、この場面を観た室町時代の人たちは、
ええっ、この登場人物たちの中に、もしやパパがいるってこと?と、色めきたったと思われますが、
それを承知でクールに演じるってニクイです。
コノコノォ、と肘でつつきたくなる。
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で、実は、エキセントリックな過去を持つ男巫こそがパパだった、という展開には、ほえーっ
カタルシスを感じた事でしょう。
友達とか近所の人たちに知らせなきゃ、と、口コミで評判アップしていったのだろうなぁ、と頷けます。
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狂言「苞山伏」
使いの者が萬斎さん、
山人が裕基くん、
山伏が岡さん、
後見が月崎さん。
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裕基くんが、苞をぶら下げた竿を担いで登場。
苞は、藁納豆を大きくしたような形。
今に置き換えると、お弁当をランチバッグに独立させて持ち歩く感覚でしょうか。
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萬斎さんは、艶感のあるグレー地に葡萄&鼠の肩衣、
紫鳶色の格子の縞熨斗目、
ブルーチーズちっくな模様の納戸色の狂言袴。
秋先取りコーデがうつくしいー
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お昼寝中の裕基くんのランチに目をつけた萬斎さんは、
苞の中身をぜーんぶ食べてしまいます。
盛大に舌鼓をうち、苞の内側にこびり付いたご飯粒も丹念にコソゲ取り食らい、
と、マナー度外視の振舞いですが、何故か下品に見えず。
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お腹を空かせてる若者、といった風。
「鮎」の小吉のよう。
自分の欲望にまっしぐらな逞しさも、小吉に重なりました。
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やってる事は褒められた事では無いんだけど、
若者よ、がんばれー、とエールを送りたくなちゃう。
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能「楊貴妃
楊貴妃が武田友志さん、
方士は福王和幸さん、
蓬莱国ノ者が石田淡朗くん。
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大鼓が原岡一之さん、
小鼓が飯田清一さん、
笛が杉信太朗さん。
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4ヶ月ほど前に大阪で上村松園の描く楊貴妃の絵を観たのですが、
かなり妖艶なイメージ。
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一方で、今回の楊貴妃は、近寄り難いような気高さでした。
生前の楊貴妃は松園の描くテイストで、死後の世界で、あのオーラに至ったのかも。
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ラストの「熊坂」は諸事情で拝見できませんでしたが、それでもたっぷり能楽に浸ったー、と満足の日となりました。
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